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久保建英が「連係力」の高さを証明 ソシエダ期待の若手MFのよさを引き出した (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【際立つ周りの選手と連係する力】

 そのウルコに最もパスコースを与えていたのが、久保である。

 久保は右サイドで常に顔を出し、ウルコからのパスを受けていた。2点目のシーンも、中盤でウルコがターンした瞬間、久保はサイドから中盤インサイドに入ってボールを受けている。首を何度か振りながら、中央に入ったミケル・オヤルサバルにパス。ボールがこぼれたところを回収し、シェラルド・ベッカーの得点をアシストした。

 これは象徴的な場面だったが、久保とウルコは頻繁にパス交換していた。後半もウルコがセカンドボールを拾った後、すぐに久保につけている。お互いが生かし合う関係性を作っていた。

「タケは周りの選手と連係する力が際立って高い」

 それが現地での久保評の総括だが、まさに真骨頂だったと言える。ウルコはポテンシャルの高いプレーヤーだが、そのよさを引き出した点は特筆に値するだろう。

「タケがどんなFWとコンビが合うか? うーん、お世辞ではなく、誰とでも組めると思うよ」

 昨年10月、イマノル・アギレチェは、そう分析していた。「過去20年のスビエタで最高のセンターフォワード」と言われ、2012-13シーズンには14得点をあげてラ・レアルをチャンピオンズリーグ出場に導いたレジェンドの言葉は説得力があった。

「何でもできる選手で、連係力が人一倍高い。もし自分がタケとプレーすることがあったら、なるべく近い距離を取ろうとするだろうね。たとえば必ず壁パスは意識する。自分がスペースを作って、そこを使わせるようにして、その逆もあるだろう。それに、タケはサイドにいるとしても心強い。たとえどんなにマークされても、しっかり準備していれば、『ラストパスやクロスが入ってくる』と信じられる。その信頼をチームメイトに与えられているのは大きい」

〈チームメイトに信頼を与えられる〉

 それは、久保に対する最高の称賛と言える。

 キーウ戦でのウルコとの関係性はその裏付けになっていた。トッププレーヤーは周りを生かし、生かされると言われる。その点、久保は右サイドバックのホン・アランブルのポテンシャルも引き出しているし、ブライス・メンデスとのコンビはすでに"お馴染み"だ。

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