プレミアリーグ 三笘薫に軍配が上がった日本人対決 その瞬間、菅原由勢は「忍者」の動きを察知できず (2ページ目)
【神出鬼没な動きで得点シーンに登場】
続いてふたりがマッチアップしたシーンは27分だった。ブライトンのGKバルト・フェルブリュッヘン(オランダ代表)の糸を引くようなフィードが三笘の鼻先に滑るように送られた。走り勝ったのは菅原で、スライディングタックルで三笘の走路を潰し、タッチラインに逃れた。
ブライトンボールのスローイン。ブライトンの先制点はその流れから生まれた。
得点したのはおよそ1分前、菅原にタックルを浴びたばかりの三笘だった。右サイドのSBタリク・ランプティ(ガーナ代表)が比較的浅い位置でボールを持った時、菅原はプラスのアーリークロスが蹴り込まれてくるとは予想していなかったに違いない。同様に三笘が背後からそこに狙いをつけ、走り出していたことも察知できていなかったように見えた。
三笘のシュートシーンへの現われ方は、開始6分のプレーとそっくりだった。前節のボーンマス戦でゴールを決めた瞬間もそうだった。舞台の袖からササッと現われる忍者然とした神出鬼没な動きである。動き出しのスムーズさに定評のある菅原も、この抜け目ない動きに置いていかれることになった。三笘はクロスボールのコース上に入ると、ワンバウンドしたボールに頭で反応。身体を捻って投げ出しながら、ゴールネットを揺るがした。
菅原はその後、よく健闘した。3度ほど高い位置に進出し、折り返しを決めている。縦への滑らかな推進力に目を奪われることになった。10点満点で採点すれば、三笘との攻防に敗れた段階で5点台だったのが、じわじわ6点台に回復。能力の高さを示すことになった。
しかし、ブライトンの両SBに比較すると、そのプレーは専守防衛気味にしか映らなかった。攻撃に絡む絶対的な回数が少なかった。
試合の結果は、後半14分、フリン・ダウンズ(元U-20イングランド代表)のゴールで1-1の引き分けに終わった。5位をいくホームチームにとって、最下位チームに引き分けることは、歓迎すべき結果とはいえないが、可能性を感じるサッカーをしていたのは、やはりブライトンのほうだった。
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