三笘薫が最後まで高い位置を張り続けたことが一因 ブライトン、マンCに逆転で金星 (2ページ目)
【ブライトンの選手層の厚さを実感】
1対1で迎えた後半38分のシーンも、後方でファン・ヘッケがパスワークの起点になった。カルロス・バレバ(カメルーン代表)、ウェルベック、ジョアン・ペドロで真ん中を崩し、最後は今季セルティックから移籍してきたマット・オライリー(デンマーク代表)押し込み、決勝点とした。
伏兵ブライトンは昨季のプレミア覇者に対し、劇的で痛快な逆転劇を収めたわけだが、采配的には100点満点だったわけではない。
マンチェスター・シティは立ち上がり、ブライトンに対し、それなりに苦戦を強いられていた。プレミアで直近の2試合で連敗。4日前に行なわれたチャンピオンズリーグ対スポルティング戦は1-4の大敗だった。試合開始直後は、ブライトンの高い位置からのプレッシングに苦しんでいるかに見えた。
だが、そこでブライトンのファビアン・ハーツラー監督は引く作戦に出た。右ウイングのシモン・アディングラ(コートジボワール代表)を最終ライン付近まで下げる5バックサッカーに変更した。
ハーラントに先制弾を浴びたのはその直後だった。つまりこの守備的な作戦は失敗に終わっていた。マンチェスター・シティのペースはその後も続いた。ここで失点を喫していたら、ブライトンの勝利はなかっただろう。
前任のロベルト・デ・ゼルビとの比較でいえば、ハーツラーのサッカーは守備的だ。攻撃的サッカーに対してデ・ゼルビほどのこだわりはない。もちろんグアルディオラ的でもない。森保一監督ではないが、まさに臨機応変に試合を進めようとする。
そのサッカーはある時間までうまくいっていなかった。それが後半に持ち直し、逆転劇を生んだ原因は何か。選手層の厚さだ。
ハーツラー監督は後半開始と同時にヤシン・アヤリ(スウェーデン代表)に代え、カルロス・バレバを投入する。後半12分には、ジャック・ヒンシェルウッド(U-21イングランド代表)に代えオレアリーを、後半20分にアディングラに代えてジョアン・ペドロを投入すると、ブライトンのサッカーはそのたびに逞しくなっていく。圧倒的に劣勢だったボール支配率は次第に回復。ブライトンがクラブとして大きくなっていることを実感させられる試合展開となった。
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