チャンピオンズリーグ序盤戦総括 好調なリバプールとバルサ、日本人所属クラブ大健闘 (4ページ目)
だが、ここ10年のバルサは違った。勝てないうえに魅力的でなかった。好チーム度の低いサッカーが続いた。かつてを知る者にとっては嘆かわしい、低迷期にあたる。しかし、ハンジ・フリックに監督が代わった今季、その流れに歯止めがかかるのではないかと見る。サッカーはひと味違うものに変身した。スペイン代表的。ひと言で言えばそうなる。
スペイン代表のウイングが右のラミン・ヤマルに対し、左はニコ・ウイリアムズ(アスレティック・ビルバオ)であったのに対し、バルサでは左にラフィーニャが入る。このブラジル代表選手のウイングプレーがバルサの好チーム度を大きく高めている。左右のウイングが固まると、ペドリ、フレンキー・デヨング、ダニ・オルモ、ガビ、フェルミン・ロペスらによる、小技を絡めた変幻自在なパスワークがより際立って見える。CLを戦うバルサには、スペインのユーロ優勝、五輪優勝の流れを感じることができる。レアル・マドリードより断然スペイン的だ。
イングランドもフランスも、ユーロではスペインを止めることができなかった。ユーロ明けのCLではどうなのか。今季はスペイン代表に似たバルサに風が吹いているような気がしてならない。
日本人選手が所属するクラブでは守田英正のスポルティングが2位、南野拓実のモナコが3位と大健闘している。古橋亨梧、前田大然、旗手怜央が所属するセルティック、荻原拓也がスタメンを張るディナモ・ザグレブも15位、16位と善戦している。決勝トーナメントに何人の日本人選手が進出できるか。ケガの上田綺世(フェイエノールト)、冨安健洋(アーセナル)、伊藤洋輝(バイエルン)に出場機会は訪れるのか。シュツットガルトでスタメンを確保しつつあるチェイス・アンリにも目を凝らしたい。
遠藤航、冨安健洋、南野拓実など日本人選手の活躍にも期待!
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著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。
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