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チャンピオンズリーグ序盤戦総括 好調なリバプールとバルサ、日本人所属クラブ大健闘 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【低迷期を脱したバルサ】

 プレーオフに進む24位以内に入るためには、おそらく勝ち点10~11が必要になる。さらにベスト16にストレートインするためには勝ち点16~17が必要になると言われるが、優勝を狙う強者にとって8位以内はマストな成績なのか、24位で十分なのか。つまり、このリーグフェーズにどこまで力を注ぐことが得策なのか。

 プレーオフに進出し、そこで勝利すれば問題ないと割りきるならば、マンチェスター・シティ(10位)、アーセナル(12位)、バイエルン(17位)、レアル・マドリードの現在の成績はさして気にならない。CLの優勝はピークを決勝トーナメントの終盤に持っていかないと狙えないとの通例に従えば、現在、リーグフェーズで首位を走るリバプールのほうが危なっかしく見える。いかんせん新レギュレーションで行なわれる最初のシーズンなので、今後の展望は難しいものがある。

 ただし、「今季はいける!」と、上昇ムードを感じさせるチームは存在する。第3節でバイエルンにホームで4-1と大勝したバルサだ。2014-15シーズン、ベルリンで行なわれた決勝でユベントスを破って以来、今季で10年が経過する。その間、ベスト4に進んだのはわずかに1度(2018-19シーズン)。2021-22、2022-23シーズンはグループステージ敗退という、過去の栄光からはほど遠い成績が続いている。好チームへとモデルチェンジした宿敵レアル・マドリードと比較すると、凋落ぶりはいっそう鮮明になった。

 初優勝した1991-92シーズンから2度目の優勝を飾った2005-06シーズンまでも、間は空いていた。しかし、勝てなかったが、高い好チーム度を誇った。サッカーはいかに面白くて美しくても、勝たなければどうしようもないという勝利至上主義者は、そのサッカーを揶揄したが、その間にバルサファンは世界的に広がっていった。一番応援しているのは地元のクラブだが、2番目はバルサ。世界各地でそんな言い回しを筆者はよく耳にした。勝利至上主義者が多いイタリア人でさえ例外ではなかった。

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