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久保建英はなぜ先発できない? スペイン人記者が詳述するチーム事情とオヤルサバルとの関係 (3ページ目)

  • ウナイ・バルベルデ・リコン●取材・文 text by Unai Valverde Ricón

【途中出場のオサスナ戦はドリブル成功率100%】

 久保はピッチに立つとすぐに革命を起こした。結果的に成功は収められなかったが、逆転勝利を感じさせる唯一の選手となり、この試合のベストプレーヤーと評価された。

 ファーストタッチから切れ味鋭いドリブルでカウンターを仕掛け、強烈なシュートを枠に飛ばした。その次のプレーではすばらしいクロスを上げ、マルティン・スビメンディの決定機を演出した。

 久保は何度もトライし、すべてのチャンスに関与した。ほかの選手とは違う輝きを放ち、そのスピードとドリブルでインサイドでもアウトサイドでも容易に相手を圧倒し、ゴールに迫った。

 さらにブライス・メンデスからのパスを足元で受けると、相手ふたりと対峙しながら左足のすばらしいシュートをゴール右上隅に飛ばしたが、相手GKセルヒオ・エレーラのファインセーブに阻まれた。

 時間が経つにつれ久保は孤軍奮闘の状態となり、チーム全体のパフォーマンスも低下。試合は残念な結果に終わったが、久保は後半のみの出場でボールに48回触り、シュート3本、キーパス4本、クロス成功4本、デュエル勝率100%、ドリブル成功率100%という好データを残した。

 ここのところ左サイドでプレーすることもあるが、久保のベストポジションは間違いなく右ウイングだ。それはイマノル監督指揮下でも、将来的に新たな監督がやって来たとしても変わらないだろう。もうひとつ選択肢を挙げるとしたら、2季前にアレクサンデル・セルロート(現アトレティコ・マドリード)と組んでうまく機能した、中盤ダイヤモンド型の4-4-2システムの2トップの一角でプレーすることだ。

 あくまでも左サイドは一時的なオプションであり、決して最適解ではない。それはバレネチェア、セルヒオ・ゴメス、オヤルサバルのほうが左サイドでのプレーを得意としているからだ。しかし、ゴールラインまでボールを運び、そのままクロスをあげられる左利きのウインガーをイマノルが必要とする場合に備え、そこでのプレーに慣れておくのは、久保にとって決して悪いことではないだろう。

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