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サッカー日本代表のアウェー戦へ久保建英の想い 平和のために「僕らができることは...」 (2ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko

【最も気にするのはアウェーでの治安】

 ELでも、リーグ戦でも、とにかく勝利がほしいのがレアル・ソシエダの現状だ。

「(CLではないから)モチベーションが落ちる、というのは僕らにはないです。ただ、順位もふるってないし、勝たなきゃいけない試合だったのは間違いない。それで落としたのは厳しいですけど、悔やんでいる時間もないので。リーグでもいい位置(順位)かといったらそうでもないので、まずは目の前の1試合1試合に向かっていきたいなと思います」

 アンデルレヒト戦が行なわれた日、ワールドカップ最終予選10月ラウンドに向かう日本代表メンバーが発表された。

 久保が最も気にしていたのは、アウェーの地の治安だった。1戦目が開催されるサウジアラビアは、現在戦争状態にあるイスラエル周辺と同じ中東エリアになる。

「(試合が行なわれるのは紛争地域から)遠ければ遠いほどいいかなと思うので、個人的には。実際の距離は遠いと思いますけど、やっぱり今はインターネットで何でも見られちゃいますので、そういった意味で怖さはある。

 でもFIFA管轄の大会は、本当に危ないと思ったら場所を変えると思うので、開催するってことはセーフティということだから、そこはしっかり従いたいなと思います」

 久保は、最終予選の開催地の治安を懸念するだけでなく、スポーツの意義にまで話を進めた。

「(爆撃の映像を)見ましたけど、びっくりしましたね。それこそ、ドラマでしか見たことがないような光景でした。こういうことがないように僕らができることは、国の代表としてスポーツでお客さんを楽しませることで、そうやって平和に解決してくれれば一番いい」

 代表の持つ重さ、意義をあらためて考えさせられる言葉でもあった。

 レアル・ソシエダは今週末、現在4位のアトレティコ・マドリードをホームに迎える。決して簡単な試合ではないだろうが、ここで何かしらの手応えを得て、代表ウィークに入りたいものだ。

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著者プロフィール

  • 了戒美子

    了戒美子 (りょうかい・よしこ)

    1975年生まれ、埼玉県出身。2001年サッカー取材を開始し、サッカーW杯は南アフリカ大会から、夏季五輪は北京大会から現地取材。現在はドイツを拠点に、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材中。著書『内田篤人 悲痛と希望の3144日』(講談社)。

【図】久保建英の最適解は?「サッカー日本代表」識者が考察したアジア最終予選のベスト布陣

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