久保建英に現地紙は最高評価 ヨーロッパリーグで敗戦も見えてきた明るい兆し (2ページ目)
【後半開始から攻撃が活性化】
久保がラ・レアルの"攻撃のリーダー"であることは間違いない。バレンシア戦はそれを証明していた。アンデルレヒト戦ではリードされた展開でピッチに立って、攻撃を牽引。自らが右サイドでボールをキープし、ドリブルで仕掛けることによって、全体を有利にしていた。
後半直後、久保はオーリ・オスカルソンとのワンツーで、シュートをお膳立てしている。48分には、左からのクロスをブライス・メンデスがヘッドでフリックしたところ、左足ボレーで狙った。いきなり攻撃が活性化した。
久保は右サイドで、セネガル代表ムサ・エンディアイエと何度も1対1になっている。この勝負をクロス、シュートで翻弄。一度は鋭い切り返しでエンディアイエをスライディングで滑らせ、一度は警戒して距離をとってきたところ、ニアを左足で撃ち抜いた。まさに手玉にとる格好だった。
エンディアイエは、信じられないといった顔つきで膝に手をつき、味方には「カバーしろ」と喚いていたが、30分で交代を命じられることになっている。
久保が右サイドを蹂躙することで、左や中央でも、アドバンテージを作ることができた。右サイドから中央をドリブルで横切って、ラインを乱れさせ、ラストパスするのも、彼の得意のパターンだ。そして82分には、左からのクロスを再びメンデスがヘディングでフリックしたところ、今度は右足で狙ったが......。
スペイン大手スポーツ紙『マルカ』は、久保に対して両チーム最高の星ふたつをつけていた。地元メディアの評価は変わらずに高い。チームが低調のなか、特筆すべきだ。
「久保を投入し、システムを変えたことで、劇的に改善した。ボールを支配し、攻め立てることができた。ただ、ゴールが遠く......」
スペイン大手スポーツ紙『アス』はそう報じている。足りなかったのは、ゴールだけといったところか。
言うまでもなく、エースである久保には、たとえどんな状況でも(後半からのプレーであっても)、ゴールが求められる。しかし、それを作り出すプロセスを何度も見せられたことは、明るいニュースだろう。開幕直後のチームは、攻撃そのものがノッキングしていただけに、危機的な状況だった。しかし、選手たちは着地点を見つけつつある。
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