プレミアリーグへの階段となるか イングランド2部に日本人選手が8人と急増した理由 (2ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi

【サッカーそのものも大きく変化】

 ただ、今回の条件緩和により、必要なポイント数を満たしていない選手についても、ESC (Elite Significant Contribution)プレーヤーという特別枠が新たに設けられ、プレミアリーグとチャンピオンシップのクラブはESCプレーヤーを最大4選手、リーグ1(3部相当)とリーグ2(4部相当)では最大2選手と契約することが可能になった(クラブによって枠数は異なる)。

 また、とりわけチャンピオンシップ以下のクラブでは「選手を安く買って高く売る」ことで経営を安定化させたいという意識が強い。このため、他のヨーロッパ各国リーグ同様、優秀な選手が安価で手に入る日本のマーケットに注目しているという背景があり、日本選手獲得の勢いに拍車をかけている。

 いずれにしても、海外でステップアップを目指す日本人選手にとっては新しい門戸が開かれたわけで、そのためのチャンスが拡大したことは間違いない。

 さらに言えば、チャンピオンシップというリーグが、ひと昔前と比べて日本人選手がプレーしやすいリーグに変化していることも、好材料のひとつと言える。

 ひと昔前のイングランド2部リーグと言えば、古きよきイングランドスタイルのサッカーが主流で、フィジカルではなくテクニックに強みを持つタイプが多い日本人選手にとっては、他のリーグよりも少しハードルが高かった。逆にクラブ側から見ると、日本人選手はそれほど魅力的には映らなかった。

 しかし、近年はチャンピオンシップでも国際化が進行。たとえば各クラブの監督だけを見ても、リーズはドイツのダニエル・ファルケ、サンダーランドはフランスのレジス・ル・ブリ、ノリッジはデンマークのヨハネス・トールップ、ハル・シティはドイツのティム・ヴァルター、ウェスト・ブロムはスペインのカルロス・コルベラン、カーディフはトルコのエロル・ブルト、QPRはスペインのマルティ・シフエンテス、シェフィールド・ウェンズデイはドイツのダニー・レールと、24チーム中8チームで外国人監督が指揮を執っている。

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