プレミアリーグ最注目選手はチェルシーのコール・パーマー 驚異的な得点関与数の要因は? (3ページ目)
【チームの頭脳で攻撃のリーダー】
サイドプレーヤーにはスピードが求められる。パーマーは三笘薫(ブライトン)と似ていて、ストライドの大きさからあまり速く見えないが、見た目よりもずっとスピードはある。ただし、速さで勝負するタイプではなく、幅と緩急でかわしていく。ドリブラーではあるけれども、よりパサーといえる。
瞬発系のサイドプレーヤーにはあまり長身の選手がいない印象だが、古くは1970年代にヨハン・クライフとともにアヤックスの全盛期を築いたピート・カイザーが当時としては飛びぬけた長身(184cm)だった。近年ではアタランタで活躍したヨシップ・イリチッチ(スロベニア)が190㎝の右ウイングである。
カイザー、イリチッチはともに左利きで、俊足のウイングではなかった。しかしシンキングスピードは速く、創造性のあるパサー。どちらもチームの「頭脳」で攻撃のリーダーであり、イリチッチには「教授」のニックネームがあった。パーマーと似たタイプとして思い浮かぶのはこのふたりである。
著者プロフィール
西部謙司 (にしべ・けんじ)
1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。
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