旗手怜央がレアル・マドリード戦で感じた衝撃 林陵平が感嘆するグラスゴーのサッカー文化 (4ページ目)

  • text by Harada Daisuke

【グラスゴーでプレーできるのは特別】

――オールドファームに話を戻すと、ダービーの前日や翌日の街中の反応も違うのでしょうか?

旗手 全然、違います。(2021-22シーズンに加入した)最初のダービーでホテルに前泊した時に、おそらくレンジャーズのファン・サポーターだと思うんですが、打ち上げ花火をあげてきたことがありました。たぶん、僕らを寝かせないように。

 海外のよくある話ですね。

旗手 外でバンバン、バンバン、花火が鳴ってるんですよ。それで、次の日のレンジャーズ戦(2022年2月3日)でゴールを決めて、翌日に街に出ると、レンジャーズファンの人が、車を運転している僕を見つけて、中指を立ててきたりして。そこで、「ああそうか」とヨーロッパでプレーしていることを実感しました。

 ヨーロッパならではですね。

旗手 だから、本当に試合前日、試合翌日の雰囲気はやっぱり違いますね。みんながプライドを持って応援していることがわかります。セルティックならセルティックファンとして、レンジャーズならレンジャーズファンとしてのプライドをみんなが持っている。

 これも例えばですけど、家の修理にレンジャーズファンの人が来たことがあったんです。スマホにレンジャーズのマークが貼ってあるからわかるんですよ。「あっ、これ、大丈夫かな」と思って。家を修理してもらったんですけど、「俺はこれ(レンジャーズ)に誇りを持ってるから」って言っていて。「でも、お前のことは応援してるから頑張れよ」とも言ってくれて。誇りを持ちつつも、そうした優しさはどのチームのファン・サポーターも持っているなって思います。

 やっぱり、フットボールの文化が根づいている。

旗手 それは強く感じます。今はあのスタジアム、あの街でプレーできることが、選手として特別なことなのではないかと思っています。ヨーロッパのほかのチームでプレーしていないので、比べられはしないですけど、特別なことなんじゃないかって感じていますね。

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