ユーロ2024のポルトガルに蘇る「まさかの優勝」の記憶 トルコの19歳コンビも見逃せない (2ページ目)
【優勝候補に劣らないポルトガルの顔ぶれ】
ポルトガルは前々回のユーロ2016のチャンピオンだ。グループリーグの3試合をすべて引き分け、15番目の成績でベスト16に進出した時、ポルトガルの優勝を予想する人は限りなくゼロに近かった。まさかの優勝だった。ポルトガルは自国開催のユーロ2004でも準優勝に輝いていたが、その時も優勝候補ではなかった。好チームではあったが、強チームという扱いではなかった。
だが今回、たとえばグループリーグ初戦、対チェコ戦のスタメンに並んだメンバーは、優勝候補の筆頭であるフランス、イングランドと比べても遜色のない、5番手ではなく3番手と言いたくなる充実した顔ぶれだった。
GK/ディオゴ・コスタ(ポルト)、左CB/ヌーノ・メンデス(パリ・サンジェルマン/PSG)、中央CB/ぺぺ(ポルト)、右CBルベン・ディアス(マンチェスター・シティ)、左ウイングバック/ジョアン・カンセロ(バルセロナ)、右ウイングバック/ディオゴ・ダロト(マンチェスター・ユナイテッド)、守備的MF/ヴィティーニャ(PSG)、攻撃的MF/ブルーノ・フェルナンデス(マンチェスター・ユナイテッド)、左ウイング/ラファエル・レオン(ミラン)、CF/クリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル)、右ウイング/ベルナルド・シウバ(マンチェスター・シティ)。
久々に見る39歳のロナウドは、思ったほど老け込んでいなかった。強引に出場している印象もなく、フルタイム出場を果たした。開始8分に放ったダイビングヘッドを皮切りに、少なくとも5度は相手GKを慌てさせた。41歳になったCBのぺぺも同様に、衰えのない動きで最終ラインを締めた。
最前線と最後尾に大ベテランを配した3-4-3。2022年カタールW杯後に就任したロベルト・マルティネス監督は、ベルギー監督時代同様、3バックで臨んでいる。しかし、そう言われてみれば3バックと思う程度で、3バック独特の臭みを感じることはない。左ウイングバックのカンセロが中盤でプレーしたり、ウイングバックとウイングの2枚が大外に大きく開いたりする。5バックになりにくい、バランスの取れた攻撃的かつオリジナリティの高い3バックだ。
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