ユーロ2024のポルトガルに蘇る「まさかの優勝」の記憶 トルコの19歳コンビも見逃せない

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

 6月22日(日本時間23日1時)に行なわれるトルコ対ポルトガル。グループリーグFの2巡目の戦いである。初戦の結果はともに勝利。勝ち点3同士が戦う、このグループのハイライトゲームである。

 ブックメーカー各社の大会前の優勝予想では、ポルトガルは大会前、24チーム中、フランス、イングランド、ドイツ、スペインに次ぐ5番手に挙げられていたのに対し、トルコはそこからオランダ、イタリア、ベルギーをはさむ9番手。ベルギーまでを8と捉え、優勝候補の一角とするならば、トルコは2番手グループの筆頭だ。優勝は難しいが、ベスト4は狙えそうなダークホース的なチームという位置づけだ。

チェコ戦にフル出場したクリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)photo by AP/AFLOチェコ戦にフル出場したクリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)photo by AP/AFLOこの記事に関連する写真を見る この立ち位置から、過去のトルコで想起したのは次の2大会だ。ひとつは決勝トーナメント1回戦で日本を、3位決定戦で韓国を下し、3位に輝いた2002年日韓共催W杯。もうひとつはオーストリア、スイスで共催されたユーロ2008で、こちらも成績はベスト4だった。

 W杯とユーロでトルコが残した最高成績である。なかでも神がかっていたのはユーロ2008だった。グループリーグの3戦目の対チェコ戦(0-2から3-2とする逆転勝利)、準々決勝のクロアチア戦(延長終了直前に1-1に追いつきPK戦で勝利)で収めた奇跡的な勝利はいまだ語り草だ。敗れた準決勝のドイツ戦(結果は2-3)も戦いぶりはお見事のひと言で、ユーロ2008はトルコの魅力が全開になった大会だった。

 その時、目を引いたのはスタンドを埋めたトルコファンだった。スイスに暮らすトルコ移民に、総数で300万人を超えると言われる隣国ドイツに暮らすトルコ移民が加勢した。ドイツとスイスの国境の町、バーゼルで行なわれた準決勝トルコ対ドイツが、最後の最後までもつれる名勝負になった理由でもある。トルコの選手はサポーターの熱い声援に最大限、背中を押されることになった。

 今大会、開催国であるドイツ人の次にスタンドを埋めているのは、おそらくトルコ人だろう。トルコにとってドイツは半ばホーム。面白い存在だと見る。

 3-1で勝利した初戦のジョージア戦。トルコを牽引したのが両ウイング。ケナン・ユルディズ(左/ユベントス)とアルダ・ギュレル(右/レアル・マドリード)の19歳コンビだった。今回のトルコの魅力を語る時、欠かせない存在になる。スタンドの大声援をバックに、ビンチェンツォ・モンテッラ監督の標榜する攻撃的サッカーが、ポルトガルにどれほど通じるか。まずはそれが、トルコ対ポルトガルのザックリとした見どころだ。

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プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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