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鎌田大地の残留の決断を心待ちにするラツィオ 最大のライバルはクリスタルパレスか (3ページ目)

  • フランチェスコ・ピエトレッラ●文 text by Francesco Pietrella(『ガゼッタ・デロ・スポルト』)
  • 利根川晶子●訳 translation by Tonegawa Akiko

 そのチャンスはまだある。フォルメッロから伝わってくるニュース、監督の言葉、シーズン終盤で鎌田が見せたフォーマンス、やはりすべてがひとつの方向性を指示している。

 もうひとつ重要なファクトがある。数日前、鎌田は6月に行なわれるW杯アジア予選を戦う日本代表のメンバーに招集された。森保一監督は、1月のアジアカップでは他の選手を使うことを選んだようだが、今回はラツィオでの活躍が彼を納得させたようだ。鎌田はこうした落ち着いた現在の環境を手放し、移籍して新たなリスクを冒すだろうか。

 つい先日、前監督のサッリがテレビ『スポルティタリア』のインタビューに答え、鎌田と、かつてバロンドールに3度輝いたフランスのファンタジスタ、ミシェル・プラティニの例を持ち出すことで、自身の采配を正当化しようとした。

「プラティニがイタリアに来たときも、最初の5カ月は苦労していた。だから、大地も慣れるのに時間がかかっても不思議ではない。ただ練習では彼はその才能を見せていたし、高いクオリティーのプレーを見せていた。彼のテクニックの高さに疑いを持ったことはなかったが、私がいた数カ月はかなり苦戦していた」

 しかし、そんな鎌田の苦悩を簡単に解いたのはトゥドールだ。問題は単にシステムとポジションにあったのではないかと、トゥドールは言う。

「たぶん鎌田はサッリ監督のサッカーにはあまり合っていなくて、より私のサッカーに向いている選手なのだろう」

 鎌田が残留の意思を固め、トゥドールのもとで真価を発揮することを、ラツィオは心持にしている。

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