久保建英の今季は「10点中7.5点」とレアル・ソシエダ番記者「シーズン半ばまで決定的な働き」も「アジアカップは間違いなくプラスになっていない」 (2ページ目)

  • イケル・カスターニョ・カベージョ●取材・文 text by Iker Castaño Cabello

【10ゴールの大台には届きそうにない】

 久保の今季のパフォーマンスを総合的に評価すると、徐々に悪くなっていったのは明らかだ。シーズン半ばにアジアカップに参加したが、それは久保にとってもラ・レアル(レアル・ソシエダの愛称)にとっても、間違いなくプラスになっていない。

 ここ数試合のスタメン落ちは、フィジカル的な衰え、自信の喪失、ほかに好調な選手がいることを考えれば理解できる。久保からポジションを奪っているシェラルド・ベッカーはここ5試合で2ゴールを決めており、監督は自分らしさを取り戻せていない久保に警鐘を鳴らしていた。

 私の久保に対する今季の総合的な評価は、10点満点中7.5点だ。シーズン開幕から半ばまでのパフォーマンスは際立ち、多くの試合で決定的な働きをしていた。

 特にCLでの活躍は重要だった。久保はいい形で大会デビューを飾り、8試合中7試合に先発出場して563分プレーし(1試合平均70.38分)、得点こそなかったものの、ブライス・メンデスのゴールを演出し、欧州のビッグクラブから注目されていた。

 一方、アジアカップと重なったため国王杯での出番は少なく、ラ・リーガでは徐々に調子を落としていった。最初の2カ月間で5ゴールを決めた一方、10月から現在までわずか2ゴール。今季10ゴールの大台には届きそうにない。

 来季を見据えた場合、久保に対する私の見解は明確だ。彼はラ・レアルに残留するだろう。6000万ユーロ(約102億円)という契約解除金(※2月に契約延長したが、この金額は据え置き)の支払いに興味を示しているクラブはいくつかあるが、彼はラ・レアルでプレーを続け、来季も重要な役割を果たしてくれるはずだ。

 また、久保がパリ五輪に出場することをラ・レアルは望んでおらず、参加するかどうかは宙に浮いた状態にあるものの、今夏のプレシーズンはおそらく、キャリアで最も試合数の多いタフなシーズンを終えた自身のコンディションを取り戻すのに役立つだろう。得意のドリブルを武器にほかの選手と違うところを証明してきた選手なので、シーズン序盤のような調子を取り戻すことができれば 、必ず先発復帰できると私は確信している。

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