「久保建英が調子を落としているのは誰が見ても明らか」とスペイン人記者 フィジカル面だけでなくメンタル面でも「大きな痛手を負っている」 (2ページ目)

  • イケル・カスターニョ・カベージョ●取材・文 text by Iker Castaño Cabello

【開幕時の目標は得点+アシストで20ゴール】

 久保は開幕時、「得点とアシストで合計20」という目標を掲げていた。しかし、ラ・リーガ閉幕まで残り9試合に迫るなか、現時点の成績が7得点3アシスト(※すべてラ・リーガで記録)ということを踏まえると、目標達成はほど遠いものに感じられる。

 それは数字が大きく物語っている。なぜなら7ゴールのうち5ゴールは昨年8月から9月にかけて、1ゴールは12月に決めたもの。アジアカップ後は2月の古巣マジョルカ戦での1ゴールのみ。さらにアシストも前半戦に記録しただけだ。

 しかし、久保がダメージを受けているのはフィジカル面だけではない。国王杯準決勝第2戦のマジョルカ戦前、「代表でタイトルを獲れなかったから、国王杯で優勝したい」と意気込みを語っていたが、PK戦の末の敗退はチームやサポーター同様、彼にとっても予想外の出来事となり、メンタル面でも大きな痛手を負っている。

 彼のパフォーマンス低下の理由は、連戦による肉体的な疲労に加え、短期間でアジアカップ、CL、国王杯に敗退したことによる精神的な疲労が重なったためと説明できる。

 久保が目標に掲げた数字に近づくためには、何よりもシーズン序盤にアタッキングサードでキープレーヤーとなっていた時の自信を取り戻さなければならない。私たちはいつもサッカーにおける心の状態の重要性について話しているが、久保はまさにそれを回復させる必要があるのだ。

 そのためには筋肉面の問題を克服し、来る重要な試合に100%の状態で臨まなければならない。また特に最近、相手DFにドリブルをよく研究されているので、その状況を打開するために、新たな武器を身につけなければならないだろう。

 しかし彼には今までゴールを決めてきた実績がある。残り9試合でその大台に到達するのは容易なことではないが、一度ゴールが生まれれば、その次も自ずと入るようになるはずだ。

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