検索

久保建英のビッグクラブ移籍はなくなったのか ソシエダと契約更新のメリットとは? (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【ビッグクラブでプレーする準備は整った】

 久保は、PSGを相手にしても優位に立っていた。今シーズン、対峙した多くのディフェンダーたちを血祭りにあげてきたが、今回もベラルド、ダニーロの先手を取っている。これまでレアル・マドリードのフラン・ガルシア(スペイン代表)、ベンフィカのダビド・ユラセク(チェコ代表))、インテルのフェデリコ・ディマルコ(イタリア代表)などを"ベンチ送り"にしており、「ビッグクラブでプレーする準備は整った」と太鼓判を押せるだろう。

 ただし、現時点ではラ・レアルで主力としてプレーし続けるほうがメリットは大きい。

 たとえばイタリア・セリエAのクラブではプレー強度が優先され、ボールプレーヤーとしての久保の持ち味は出にくいだろう。イタリア人監督が指揮をとるレアル・マドリードも、少なからずその傾向がある。イングランド・プレミアリーグもスピードを含めたフィジカルが求められ、監督次第では窮地に追い込まれる。

 そういう意味で、久保にとっての最適クラブはバルサなのだろう。幼少期にオートマチズムを身につけているし、今もそのプレーは「バルサ色」を濃厚に感じさせる。しかし、レアル・マドリードとの間に契約オプション(移籍金の50%をレアル・マドリードが取得)があるならネックになるし、そもそもバルサ自体がシャビ・エルナンデス監督の辞任が発表されるなど、今も混迷期から抜け出せておらず、移籍は現実的ではない。

 いずれにせよ、久保は正念場が続く。2月18日、23日には、ラ・リーガで古巣のマジョルカ戦、ビジャレアル戦を戦った後、27日にはスペイン国王杯準決勝セカンドレグ、マジョルカと戦う。スペインでの初の戴冠も見えてきた。とてもビッグクラブ移籍を云々している場合ではない。

「UEFAチャンピオンズリーグ」ベスト16がスタート
久保建英擁するR・ソシエダはPSGと対戦
「UEFAヨーロッパリーグ」では三笘薫、遠藤航らが出場

詳しくはWOWOW「UEFAチャンピオンズリーグ」公式サイト>>

WOWOWが独占放送&配信する、欧州各国のトップクラブ同士が戦う「UEFAチャンピオンズリーグ」も、いよいよ決勝トーナメントに突入。世界最高峰の舞台で繰り広げられる、トッププレーヤーたちのプライドを掛けた戦いは必見だ。またWOWOWでは「UEFAヨーロッパリーグ」も決勝トーナメントは全試合をライブ配信する。試合後のハイライトに加えて、サッカーのオリジナル番組も見られるなど、最先端のサッカーを楽しめる。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

フォトギャラリーを見る

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る