2023サッカー界７大ニュースをブラジル人記者が選ぶ　「チーム史上最高のファウル」やメッシ、なでしこ、サウジアラビアの話題など (2ページ目)

【潮流はサウジアアラビア】

●マンチェスター・ユナイテッドの没落

　世界で一番リッチなリーグとして名高いイングランドのプレミアリーグ。しかしその一角は、もしかしたら崩壊に向かっているのかもしれない。ビッグ５のうちの１チームが問題山積みとなり、勝つことさえできなくなっている。そう、マンチェスター・ユナイテッドの話だ。

　チャンピオンズリーグ（CL）ではグループステージ最下位となってヨーロッパの舞台から姿を消し、国内リーグでは現在６位と低迷している（12月27日現在）。３月にはリバプールに０対７という恥ずべき大差で負けたこともあった。経済的にも問題があり、譲渡問題は遅々として進まず（年末になってやっと株式譲渡の話が進み始めたが、まだ道のりは長い）、落ちついてサッカーができる雰囲気ではない。2024年は改革の年になるか、それとも没落が進むのか、今、チームは瀬戸際に立っている。

●スターが目指すサウジアラビア

　もうひとつ、今年の潮流と言えばサウジアラビアだろう。砂漠の真ん中に突如、ゴージャスなリーグが現れた。今でもまるで夢としか思えない。それもどちらかといえば、悪夢だ。

　どうして夏には摂氏50度にも達するサウジアラビに、世界で最も偉大な選手たちを集めることができたのだろう。クリスティアーノ・ロナウド、カリム・ベンゼマ、ネイマール、エンゴロ・カンテ、リヤド・マフレズ、ファビーニョ、サディオ・マネ、ジョタ、ロベルト・フィルミーノ、ジョルジニオ・ワイナルドゥム......これらは現在、サウジアラビアでプレーするスターたちの名前だ。

　ヨーロッパサッカー界には、もう金も力も競争力もないのか。今後、世界中の選手の夢は、サウジアラビアリーグに所属することにもなりかねない。サウジアラビアでプレーする外国人選手は110人以上いる。信じたくはないが、金があればすべてを買うことができる。もちろん、この流れが長続きするかどうかはわからない、中国やインドなど、これまでスターを買い集めたリーグはあったが、すべて数年のうちに消え去っている。ただ、産油国サウジアラビアの資金力が、これらの国とはけた違いだということを忘れてはいけない。