三笘薫、遠藤航のプレーを解剖 ブライトン、リバプールの攻守のカラクリが見えてくる! (2ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji

【三笘薫は相手のダブルマークを攻略する】

 第三には、その斜めに背後をつく動きに対して、相手SBなどが中へ絞ってスペースを消してきた場合の選択肢である、サイドに開いた選手へのパス。これは直接裏をつく攻め手ではないが、例えば三笘薫に十分なスペースを与えて1対1の勝負を仕掛けさせることができる。

 アレクシス・マック・アリスター(リバプール)、モイセス・カイセド(チェルシー)という昨季の柱だった選手を引き抜かれたが、ある程度の強さを維持できているのは攻撃の設計がしっかりしていて緻密だからだろう。

 昨季後半に猛威を振るった三笘は相手から警戒され、縦にぶっちぎる得意のドリブルは減っている。そのかわりカットインからのシュート、パス。あるいはシンプルなクロスボールが増えた。

 縦を塞がれた分、内側が空いているからだ。三笘にはダブルマークが普通になっているので、単純にひとつ内側の味方がフリーになっているケースも多い。

 負傷者続出で三笘にかかる負担が大きくなっているが、主力の復帰とともにチームの復調が期待される。

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