久保建英はビッグクラブへ行くべきか スペイン人記者は「今季はもちろん来季も間違いなく彼は残留する」 (3ページ目)
【レアル・マドリードのスタメンは非常に難しい】
このように日々価値の上がる久保の契約条件は明確だ。彼を獲得したいクラブは、契約解除金として設定されている6000万ユーロ(約96億円)を支払う必要がある。一方、レアル・マドリードは久保が将来移籍を決断した時に、もし買い戻したいと思うのならば、約3000万ユーロ(約48億円)を支払うだけでいい。
久保は昨季からの活躍により、ナポリやマンチェスター・ユナイテッドといった複数のチームに興味を持たれており、欧州強豪クラブのスカウトが彼の進化を注視している。
レアル・マドリードももちろん、大きな可能性を秘めたこの若手選手を忘れておらず、目覚ましい成長に目を光らせている。しかし仮に久保がレアル・マドリードに戻ったとしても、スタメンの座を得ることは非常に難しいだろう。
私個人の見解として、レアル・マドリードの今のプレースタイルに久保は合っていない。その理由は、フィジカル面に優れた選手たちが中盤を支配し、より純粋なFWを2人前線に起用しているからだ。
またポジション争いのライバルのひとりと考えられるロドリゴは、開幕から調子が上がらず数字的な結果を出せてはいない。しかしゴール前で効果的な選手として認められており、大きな成功を収めてきた経験があるため、現在のレアル・マドリードのスタメンにおいて久保をリードしている、というのが私の考えだ。
久保は起爆剤としての役割を果たせるかもしれないが、それでも私はレアル・マドリードにうまくフィットするとは思えない。
今冬の移籍市場では動きはないだろうが、来季、仮に現レバークーゼン監督のシャビ・アロンソ(元レアル・ソシエダ)がレアル・マドリードの指揮を執った場合、来夏の移籍市場で久保を求める可能性もあるだろう。
しかしひとつだけハッキリしているのは、契約解除金を支払うクラブはあっても、最後の決断を下すのは久保本人だということだ。
私の予想では今季はもちろん、ほぼ間違いなく来季も彼は残留する。その後は彼が環境の変化を望んだり、現在の調子を維持できるか次第になるが、今のところ彼はラ・レアルを去る気はないはずだ。
(髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki)
久保建英や鎌田大地、三笘薫など日本人選手の活躍にも期待!
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著者プロフィール
高橋智行 (たかはし・ともゆき)
茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、リーガ・エスパニョーラを中心としたメディアの仕事に携わっている。
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