久保建英はビッグクラブへ行くべきか スペイン人記者は「今季はもちろん来季も間違いなく彼は残留する」 (2ページ目)

  • イケル・カスターニョ・カベージョ●取材・文 text by Iker Castaño Cabello

【番記者たちは移籍すると思っていない】

 移籍市場の再開が2カ月後に迫るなか、ラ・レアルはここまで公式戦14試合を消化し、ラ・リーガで5位につけ、CLグループリーグ首位に立っている。久保はダビド・シルバが去ったラ・レアルに欠かせない存在となり、すべての大会で実力を存分に発揮し、チームに大きく貢献している。

 そうした状況で、久保があまりにも好調であるため、「ヨーロッパのビッグクラブに移籍するのではないか?」という意見もあるが、地元サポーターは誰もそのことを懸念していない。

 なぜなら久保は昨季の終わりに、レアル・ソシエダに居心地の良さを感じていると明言しており、2027年まで契約を結び、再びサッカー選手としての自信を取り戻す扉を開いてくれたクラブで、重要なことを成し遂げたいと思っているからだ。

 将来的にはわからないが、現時点では私を含めた皆が、彼がチュリウルディン(レアル・ソシエダの愛称)のユニフォームを纏い、多くの試合に出場し続けると思っている。

 ゆえに私たちラ・レアルの番記者は誰ひとりとして、「もしどこかのクラブが契約解除金を支払ってくれる場合、移籍する可能性はあるか?」と久保に改めて質問をしたことは一度もない。

 イマノル・アルグアシル監督のシステムにすぐさま適応した久保は今、サポーターから毎試合スタンディングオベーションが贈られ、名前を叫ばれており、自分の居場所を見つけている。それはカルロ・アンチェロッティやジネディーヌ・ジダンの下では全く成し遂げられなかったことだ。

 久保にとって、ラ・レアルのようなクラブでラ・リーガ、国王杯、CLに出場し、CLでは強豪相手にヨーロッパ最高レベルの戦いを繰り広げ、自分の能力を伸ばし続けられる以上にいいことなどあるだろうか?

 この22歳の日本人がヨーロッパの偉大なスターのひとりとなるために最適なクラブは、やはりラ・レアルであると考えられる。またサン・セバスティアンで覚醒したことにより久保は、市場価値が上昇し、加入当時の750万ユーロ(約12億円)から今や5000万ユーロ(約80億円)となっている。

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