三笘薫、冨安健洋、遠藤航...プレミアリーグでの進化のカギ 福西崇史は「周囲との連係」と解説 (4ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Getty Images

 遠藤に求められるのは、まずは慣れることだが、そこから得意な守備に加えて攻撃も向上しなければポジションを掴むのは難しいだろう。いまはアンカーをマック・アリスターがやっているが、遠藤がここに入って彼のように局面を打開しつつゲームコントロールをするのはかなり大変だと思う。

 日本代表のようにダブルボランチであれば、攻撃面を守田英正や鎌田大地に任せることもできるが、アンカーひとりの状況での攻撃は周りとの距離が遠く、サポートが少ないとかなり難しい。

 リバプールは右SBのトレント・アレクサンダー=アーノルドが、偽SBとしてチームのボール保持時はボランチに入るので、遠藤はそこのサポートをうまく使いつつ、攻撃でも貢献できるようになれば、高いパフォーマンスにつながってくると思う。

 我々は簡単に「慣れてから」と言いがちだが、最高峰のプレミアリーグ、ましてやトップ・オブ・トップのリバプールというチームに慣れるというだけで、相当にハードルの高いこと。リーグ戦では途中出場から逃げきる展開の時の守備的なカードとしての起用になっているが、そこから着実に出場時間を伸ばして、焦らずに適応していってほしい。

 冨安、三笘、遠藤とそれぞれ置かれている立場や役割は異なるが、プレミアリーグでよりレベルアップできるようなシーズンが送れることを楽しみにしている。

福西崇史 
ふくにし・たかし/1976年9月1日生まれ。愛媛県新居浜市出身。新居浜工業高校から95年にジュビロ磐田入り。ボランチのポジションで活躍し、多くのタイトルを獲得。チームの黄金期の主力としてプレーした。その後、FC東京、東京ヴェルディでプレーし、09年に現役引退。J1通算349試合出場、62得点。日本代表では02年日韓W杯、06年ドイツW杯に出場。国際Aマッチ64試合出場7得点。現在は解説者として活躍中。

プロフィール

  • 篠 幸彦

    篠 幸彦 (しの・ゆきひこ)

    1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の"実戦ドリル"でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。

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