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三笘薫、冨安健洋、遠藤航...プレミアリーグでの進化のカギ 福西崇史は「周囲との連係」と解説 (2ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Getty Images

【冨安健洋には先発での定位置確保に期待】

 アーセナルの冨安は昨季、一昨季とケガに泣いてきた。とくに昨季はリーグ優勝のかかった大事な時期に負傷離脱し、本人としてもかなり悔しい思いをしただろう。

 今季のプレーを見ていると、「かなり自信をつけてきたな」という印象を持っている。守備時の安定感、1対1の強さ、高さは、調子がいい時のプレーを取り戻してきているし、攻撃でも左SBに入った時に偽SBとしてのプレーに思いきりのよさが出てきた。

 そんななかで今季の冨安に期待するのは、先発での定位置確保だ。昨季は右SBのベン・ホワイトのバックアッパーとしての起用が多く、今季もここまでリーグ戦での先発起用は第2節クリスタルパレス戦での左SBのみ。それ以外は終盤に左SBアレクサンドル・ジンチェンコとの交代で、守備を固める場面での起用になっている。

 しかし、先日行なわれたカラバオカップ(リーグカップ)3回戦のブレントフォード戦で、アーセナルに加入以降初めてセンターバック(CB)で先発起用された。安定した守備を披露しながら、決定機を阻止したシュートブロックなど、見せ場も作ってマン・オブ・ザ・マッチに選ばれるほどの活躍だった。

 相手がチャンピオンシップ(2部リーグ)に降格したレスターだったこともあるかもしれないが、改めて冨安のCBとしての能力の高さを証明した試合だった。それを見ると、やはりCBとして勝負してほしいなとも思う。

 アーセナルのCBはガブリエウ・マガリャンイスとウィリアム・サリバが絶対的な存在だが、冨安はそこへ割って入れる実力は十分あると思う。とはいえ、ふたりの牙城はやはり高いものがあるので、まずは常に試合に絡んでおけるコンディションと、安定したパフォーマンスが求められるだろう。

 そのために、まずは右SBのホワイトとの競争で定位置を掴むのが現実的だ。守備においてはスピード感やポジショニング、1対1の強さは、冨安のほうが優れている場面もある。

 そこから先発で使われるためには、やはり攻撃でどれだけ印象的なプレーができるかだ。右サイドでMFマルティン・ウーデゴール、FWブカヨ・サカとどれだけいいコンビネーションを見せ、質の高いランニングと、精度の高いクロスを供給できるか。そこの部分で昨季のホワイトは質の高いプレーを披露したので、冨安に求められるレベルも高くなる。

 現状でも、守勢に回る展開が予想される相手には、冨安がファーストチョイスになるケースもあるだろう。ただ、それだけではなく、マルチなバックアッパーというポジションから、常に冨安が選ばれるという主力へのステップアップを期待したい。

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