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ネイマールに早くも大ブーイング サウジよりセレソン優先、監督との確執説、故郷のクラブ買収の噂... (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

【監督との確執説には反論】

 アル・ヒラルを率いるジェズスはポルトガル人。ベンフィカ、スポルティング、フラメンゴ、フェナルバフチェを率いた経験もあるベテランで、フラメンゴ監督時代にはブラジルと南米のすべてのタイトルを勝ち取り、チッチ後のブラジル代表監督の有力候補でもあった(しかしブラジルが煮え切らない態度をしているうちに、アル・ヒラルが彼を手に入れた)。

 ただ、キャラの強い人物でもあり、思ったことを率直に口にする傾向がある。ネイマールとこれまで師弟関係になったことはないが、ジェズスがフラメンゴの監督をしていた時代には、ネイマールについて「彼は何が優先事項であるかを考えるべきだ」と発言したことがある。まさに今回、彼の頭にはこの疑問がよぎったかもしれない。

 代表への参加に苦言を呈した監督に対し、ネイマールは「しゃべりすぎる」と不満を漏らしていたようだ。スペインのメディア『ディアリオ・スポルト』はACLナフバホール戦の試合後、監督とネイマールがロッカールームで口論をしたとも伝え、ネイマールが監督を変えるようにチームに進言したとの記事を載せた。

 ただし、この噂をネイマールは否定。ブラジルのラジオ番組で「メディアは無責任で嘘つき」とぶち上げ、翌日には自身のインスタにも「全部ウソ、こんなことは皆、信じないでほしい。フェイクニュースを流すのはやめろ! リスペクトのかけらもない」とのメッセージを載せた。

 ちなみに直近の9月26日に行なわれたサウジアラビア国王杯の対アル・ジャバライン戦ではネイマールはプレーしなかった。その理由を監督との不仲に求める者もいるが、監督自身は「ネイマールのケガはいまだ完治しておらず、休ませる必要があった」と説明している。この発言はネイマールをプレーさせたブラジルサッカー連盟も、暗に非難するものだろう。しかし連盟は10月のW杯南米予選にもネイマールを招集する予定だと発表している。

 このように、サウジアラビアに行ってもネイマールの周辺は相変わらず落ち着かない。監督との諍(いさか)いについては、真偽のほどはわからないにしても、そういう噂が出てくること自体、何かがうまくいっていない証拠だ。

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