久保建英のCLデビュー戦をソシエダのご意見番が分析 「もし自分が監督だったら...」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

【アドバイスがあるとすれば...】

 エチャリは、かつてスポーツダイレクターとして監督と二人三脚で戦った頃のように、現実的な意見を口にしている。

「インテルが勝負強さを発揮したのは事実だろう。試合を通じ、中を締めて、守りの堅牢さを見せた。ラウタロ・マルティネスはほとんど唯一のチャンスを、しっかりと決めた。世界王者アルゼンチンのストライカーは一流の違いを見せつけたと言える。

 しかし、ラ・レアルがスーパーゲームをやってのけたことも間違いない。選手は自分たちのプレーを信じるべきだろう。その確信が積み重なっていくことで、もっと強くなるはずだ。

 グループリーグの4チームの実力は拮抗していて、どこが勝ち上がってもおかしくない。それだけにインテル戦で落とした勝ち点2は痛いが、悪くないスタートだ」

 最後に聞いた。

――もし監督だったら、久保にどんなアドバイスができたか?

 エチャリは笑顔で答えている。

「自分が言うことなどないよ。ただ、前半からもう少し下がってボールを受けにいってもよかった。そうすることで、たとえボールを受けられなくても、マーカーを引き連れることで小さな混乱を与えられる。

 同じように、ダイアゴナルの走りでボールを引き出す動きを増やしてもいい。やはり、マーカーやカバーを脅かすことになっただろう。自分はサイドの選手にはずっと言っていることがある。『相手が守備を固めたとき、味方が自分の空けたスペースを使うようにするのは重要な戦術だ』とね。だが、繰り返し言うが、久保は好プレーを見せたし、チームも同様だ。だからこれを続けてほしい」 

久保建英や鎌田大地、三笘薫など日本人選手の活躍にも期待!
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プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。

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