鎌田大地のラツィオ指揮官も嘆く低調な補強。セリエA上位7チームの今季は? (3ページ目)

  • パオロ・フォルコリン●文 text by Paolo Forcolin
  • 利根川晶子●訳 translation by Tonegawa Akiko

【鎌田は右サイドハーフに】

 そして昨シーズン、2位につけたラツィオ。監督のマウリツィオ・サッリは、出足が遅いまま、ついぞ軌道に乗ることがなかったこの夏の補強について公然と嘆いている。オイルマネーに奪われたミリンコヴィッチ・サヴィッチは中盤で重要な役割を担っており、彼の抜けた穴はラツィオに危機をもたらしている。

レッチェとの開幕戦を8月20日に控えた鎌田大地(ラツィオ)photo by PA Images/AFLOレッチェとの開幕戦を8月20日に控えた鎌田大地(ラツィオ)photo by PA Images/AFLOこの記事に関連する写真を見る この穴を埋めるためにラツィオは、まずユベントスから若手有望株のニコロ・ロヴェッラをレンタル。さらにアイントラハト・フランクフルトで好成績をあげていたMF鎌田大地に白羽の矢を立て、獲得に成功した。冨安健洋と吉田麻也が去って以来、イタリアに再び日本人選手が戻って来たのだ。

 鎌田はラツィオで初となるプレシーズンマッチで活躍を見せ、ゴールも決めた。サッリの4-3-3のなかでは、フェリペ・アンデルソンの後方の右サイドハーフに入ることになるだろう。攻撃を担うのはお馴染みのイタリア代表、チーロ・インモービレ(彼は中東からの誘いを断った)とマッティア・ザッカーニだ。だが、リーグとCLの双方で戦うには、まだ何かが足りない気がする。

 スクデットを争うかもしれない6つ目のチームはジャン・カルロ・ガスペリーニ率いるアタランタだ。厳しい今年のメルカートで、それなりの成果を出したチームであると思う。彼らは将来有望な選手(そのうちのひとりがGKのマルコ・カルネセッキだ)と、再起に燃えているジャンルカ・スカマッカやシャルル・デ・カテラーレなどを獲得した。ガスペリーニならきっと彼らを復活させることができるだろう。

 そして最後はユベントス。プレーとは関係ないファイナンシャルフェアプレーの部分でユベントスが大きく影響されていることは、皆さんもご存じのことだろう。UEFAの裁定により、ユベントスは昨シーズン手に入れたヨーロッパのカップ戦の末席のカンファレンスリーグにさえ出場できない。それは同時にセリエAに集中できることも意味するが、制裁により選手の補強が難航しているのも事実だ。

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