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「暴動はいつ起きても不思議ではない」インドネシアのサッカーリーグで活躍 初の優勝を経験した日本人選手の苦労「成功するのは難しい」 (4ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao
  • photo by Nanbu Kenzo

【浦和レッズと戦うのが夢だったが...】

 Jリーグでほとんど結果を残していない南部がインドネシアで活躍したとはいえ、行けば誰でも活躍できるほど甘くはない。

「ここに来れば、日本人も外国人。ピッチがボコボコだったり、恵まれた環境ではないし、グラウンド内でも激しく1対1のバトルが多い。しっかりした実力とフィジカルやメンタルのタフさがないと成功するのは難しいと思います」

 タイでプレーしていた2019年から2022年にかけて、南部はコロナ禍で3年ほど日本に帰国できない時期があった。その当時は契約があってないような東南アジア諸国で、帰国を余儀なくされた選手も多くいたと話す。

「コロナ禍のときは最長10カ月間、給料が70%カットになったこともありましたし、2020年にカスタムズ・ユナイテッドにいた時は、1度も100%はもらえなかったですね。インドネシアに来て、契約条件はよくなりましたけど、先が保証されているわけじゃない。こっちの契約はグレーな部分もあって、大ケガをしてしまえば打ち切られてしまう可能性もある。リスクがあるのは間違いないです」

 昨季のインドネシアリーグ王者として、PSMマカッサルは2023-24シーズンのACL本戦出場をかけて、6月に一昨季のインドネシアリーグ王者バリ・ユナイテッドとホーム&アウェーで対戦。この試合に勝ったうえで、香港のリマンに勝てば、8月に埼玉スタジアムでの浦和レッズとのプレーオフに臨めるはずだった。だがPSMは惜しくも2試合合計スコア2-2からのPK戦の末にバリ・ユナイテッド」に敗れ、南部のACL出場、Jクラブと真剣勝負する夢は泡と消えた。

 南部にとっては「キャリア史上最も悔しい負け」となってしまった。

 インドネシアリーグの2023-24シーズンは7月に開幕予定。最後に南部は今後についてこう話した。

「東南アジアのサッカーバブルはいま、タイからインドネシアに来ていると思うので、その波にうまく乗って、近い将来に波がマレーシアへ行けば、それに合わせて移籍するのもいい。マカッサルでの休日はやることがなく、2日以上の休みがあればバリ島か、ジャカルタに行っているので、同じインドネシアでもバリ島やジャカルタのクラブに行くのもいいかもしれない。

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