三笘薫に連なる特別なポジションの名手たち 独断で選ぶ「世界の左ウイング」古今の歴代ベスト20 (3ページ目)
ゴードン・ヒルは右利きの左ウイングなので、カットインしても見せ場を作り数多くのゴールを挙げた。イングランド代表としてもプレーしたが、移籍した先のダービー・カウンティ時代に見舞われたケガの影響で、全盛期は1歳年上のスティーブ・コッペルより短かった。
【17位】ルーカス・ポドルスキ(ドイツ)=左利き
左利きの左ウイング。切れ込んでシュートというプレーが望みにくいにもかかわらず、ドイツ代表選手として通算49ゴールを挙げている。角度のないところから放つ左足の強シュートが印象に強く残る。
3バックの時代が続いたドイツ代表にウイングが復活したのは、代表監督がルディ・フェラーからユルゲン・クリンスマンに代わったタイミングで、ポドルスキはその4-2-3-1の左ウイングでプレーした。フェラー監督時代に成績は低迷したが(ユーロ2004でグループリーグ敗退)、2006年自国開催のW杯で3位になると、ユーロ2008(準優勝)、2010年南アフリカW杯(3位)、ユーロ2012(3位)と、その後も好成績を維持した。
左ウイングとしてその間、スタメンを張り続けたポドルスキとドイツの好成績は密接な関係にあった。ドイツは2014年ブラジルW杯でついに優勝を飾ったものの、ポドルスキの出場時間は短かった。スタメンではなくなっていた。ドイツの栄光の影にポドルスキあり。ドイツのサッカーを好転させた左ウイングとして記憶に留めたい。
(つづく)
著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。
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