U-20日本代表にとって最大の壁は初戦のアフリカ最強セネガル U-20W杯の対戦3カ国を分析する (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

【プレミア所属選手が参加するかはまだ不明】

 DFの中心はケビン・マンティージャ、エディエル・オカンポ。MFはオスカル・コルテスのほか、イングランドのワトフォードでプレーするヤセル・アスプリージャ、キャプテンのグスタボ・プエルタからなる。特筆すべきはFWのジョン・ハデル・デュランだろう。1月にイングランドのアストンヴィラに移籍が決まったデュランは、先日のキリンカップでA代表デビューを果たし、日本代表を相手にゴールを決めている。コロンビアは彼の得点力に大いに期待している。

 チームを率いるエクトル・カルデナス監督はこうした若い才能を非常にうまく組織している。現在43歳だが、すでにU-17代表監督の経験を持ち、昨年は暫定でA代表を率いた経験もある。将来のコロンビア代表監督の呼び声が高い。

 このチームのもうひとつの特徴は、非常にモチベーションが高いことだ。コロンビアは先のカタールW杯に出場できなかった。それだけに国中がこの若いチームに熱中している。また、ここでうまくいけば、ふがいないA代表に取って代わることができると、選手たちも気合十分だ。

 日本にとってひとつの朗報は、ジョン・デュランとヤセル・アスプリージャの出場に、彼らのクラブチームがいまだOKしていないことだ。通常、各国のサッカー協会が選手を招集した場合、クラブチームは代表に選手を提供する義務がある。だが、今回は大会自体が直前までどうなるか決まらなかったため、FIFAはこれにある一文を付け加えた。

「ただし、2023年から2030年に行なわれるU-20W杯はこのルールから除外される」

 たとえばプレミアリーグはU-20W杯開幕後の5月29日まであり、現在アストンヴィラは、ヨーロッパリーグ出場圏内に入るかどうかの瀬戸際にある。アストンヴィラが許さなければコロンビアのエースはU-20W杯には出られないのだ。

 3戦目の対戦国はイスラエル。3つのチームのなかでは一番与しやすいかもしれないが、軽んじたら痛い目を見るだろう。何せ彼らは、U-20W杯の予選を兼ねたU-19ヨーロッパ選手権で、フランスとイタリアを下して決勝に勝ち進んでいるのだ。

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