日本代表と戦うウルグアイ&コロンビアは「勝ち組」、アルゼンチンは「見世物」 混迷する世界の代表戦事情 (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

【FIFAはどう出るのか】

 ウルグアイとコロンビアは、それぞれが相手を変え、日本と韓国でプレーをする。どちらもアジアの雄であり、経験を積むにも申し分ない相手だ。南米のなかでは一番いいカードをひいたと私は思っている。ウルグアイはカタールではグループリーグで負けてしまったし、コロンビアは予選で敗退し、新監督で試合に臨む。どちらも意地をかけて戦うに違いない。見ごたえのある試合となるだろう。

 ヨーロッパでは、ユーロ出場をかけた試合が行なわれ、特に1戦目は好カードが揃っている。23日にはいきなりイタリア対イングランドが実現。前回ユーロ決勝の対戦カードであるし、W杯を家で見ていたイタリアにとっては絶対に負けられない試合だ。ポルトガル対リヒテンシュタインも、実力の差はあるが、クリスティアーノ・ロナウドがサウジアラビアから戻ってくることで話題になっている。ここ数カ月、いろいろなことを言われてきたために、ハットトリックを決めるぐらいの意気込みで健在ぶりをアピールするに違いない。

 もうひとつの注目はフランス対オランダ。世界のベスト8に残ったチーム同士の対戦となる。渦中のロシアだが、現状、ロシアを受け入れるチームは世界にはほとんどいない。そこで対戦するのは1戦目がイラン、2戦目がイラクとなった。

 ここ数十年で、FIFAはその力を確実に増している。彼らはその力の大きさを十分に理解し、使い方も非常によく心得ている。FIFAの加盟国は現在211の国と地域。これは国連加盟国(193)より多い。

 そのFIFAは、世界で一番人気のスポーツ・サッカーを、より自分たちの手で握りたいと考えている。昨年12月、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は新たな構想を発表した。クラブワールドカップを2025年から32チームに拡大し(これはヨーロッパのクラブから猛反発を受けている)、そしてすべての親善試合を自分たちの傘下に収めることだ。

 さらに2026年から、FIFAはユーロとW杯の間の年の3月に「FIFAワールドシリーズ」という新たな親善試合の大会を行なう計画だ。先にも述べたようにUEFAがヨーロッパを囲い込むような日程を組んでいるのに対抗するものでもある。まだ具体的には決まっていないが、4つの異なる大陸のチームがひとつのグループを作り、トーナメント方式で戦う案などが出ている。

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