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シャルケ・上月壮一郎、昇格2試合目で初ゴールの衝撃。無名の22歳が5部リーグから這い上がり日本代表候補に急上昇

  • 鈴木智貴●取材・文 text by Suzuki Toshiki
  • photo by AFLO

 降格危機にあえぐかつての名門シャルケで、新たなヒーローが誕生しそうだ。彼の名は上月壮一郎(こうづき・そういちろう)。この1年で目まぐるしい変化を経験した、22歳の日本人選手である。

 シャルケ公式ホームページによると、J2京都サンガでトップチームに昇格した上月は「ヨーロッパでプロサッカー選手になる」意思をすでに2021年の夏頃には固めており、同時期にデンマークのクラブへの移籍話も舞い込んでいたという。

初ゴールを決めて吉田麻也(左)と喜ぶ上月壮一郎初ゴールを決めて吉田麻也(左)と喜ぶ上月壮一郎この記事に関連する写真を見る J1昇格を決めた京都サンガを2021年12月に退団し、行き先をドイツに選んだ上月はU23ボルシアMGの練習にテスト参加。しかし数週間のトレーニングで手応えを感じた一方、契約はまとまらず、まさかの破談となった。上月は「交渉が決裂したのは移籍期間終了の3〜4日前。本当に難しい時を過ごした」と回顧する。

 その直後、上月は当時ミッテルラインリーガ(5部)に所属していた1.FCデューレンと契約を結ぶことに成功。2021-22シーズン後半戦の11試合で5ゴール5アシストと活躍する。

 フィジカル重視のサッカーに順応し、デューレンを4部昇格へと導いた上月は「ミスの文化も日本とは大きく異なる。ドイツでは、ミスは試合の一部だと考えられている。そのおかげで自分も、日本にいた時より自由にプレーできるようになった」と自己分析する。

 デューレン加入から半年後、上月はU23シャルケ入団のチャンスを得る。ところが、ここでも当初は、先行き不透明な状態だったという。

 地元紙『レヴィア・シュポルト』の報道によると、U23シャルケのヤコブ・フィンペル監督が「ソウがデューレンから来た時、彼を獲得するかどうかの決断に、かなり長い時間がかかった。なぜならU23シャルケの選手数は足りていて、ほぼ満席といった状態だった」ことを明かしている。

 しかし、フィンペル監督から「野心があり、自分の長所をよく理解していて、淡々とプレーする」と評価された上月は、見事にU23シャルケとの契約を勝ち取った。そしてレギオナルリーガ(4部)で14試合8ゴールという成績を収め、ついにこの冬季中断期間にトップチーム昇格とプロ契約の締結にこぎつけたのだ。

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