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旗手怜央が悔しくも見届けたカタールW杯。「個の力を発揮していた三笘薫の存在は目を引くものがあった」 (2ページ目)

  • text by Harada Daisuke
  • photo by Getty Images

【前田大然、三笘薫、谷口彰悟...。日本代表の試合で感じたこと】

 時期は前後するけど、セルティックのチームメイトでもある(前田)大然は、日本代表に選ばれた。大然がカタールに向けて出発する時には、「頑張ってきてね」と声をかけた。

 それは自分が近くで、彼の頑張りを見てきたからこそ出た言葉だった。大然とはセルティックに加入した時期が一緒だった。自分はセルティックの試合をしていくだけでも、徐々にコンディションに影響が出てしまったが、彼がクラブで全力を出しつつ、日本代表でも結果を残し、定着していく様子を間近で見てきた。

 一方で、日本代表では結果を残せなかった自分との間には、大きな違いがあることも実感していた。

 それは川崎フロンターレに大卒新人として同期で加入した(三笘)薫も、だった。彼はあの大舞台で、自分の持ち味を発揮し、相手に脅威を与えていた。

 それ以上に改めてリスペクトしたのは、(谷口)彰悟さんだった。グループステージ第1戦、第2戦は出場機会を得られなかったが、第3戦のスペイン戦で先発すると、頼りになるプレーの数々で2-1の勝利に貢献していた。

 自分が川崎フロンターレに加入した2020年から、彰悟さんはチームのキャプテンに就任し、先発出場するのが当たり前のような選手だった。川崎フロンターレでは絶対的な選手でありながらも、日本代表では、しかも本番であるW杯で出場機会を得られない。

 それでもなお、彰悟さんは「絶対に出場する機会はある」と信じて、最善の準備をしていたからこそ、スペイン戦のパフォーマンスにつながったのではないか。2年間、その背中を見ていたからこそ感じるものがあった。

「そう言えば、彰悟さんは試合後のリカバリーも手を抜かず、自分がやるべきことは常にしっかりとやっている人だったな」

 準備やケアも含め、当たり前のことを当たり前にやるのは、口で言うのは簡単だが、決して容易なことではない。W杯のピッチに立つ彰悟さんの姿を見て、当たり前のことを当たり前にやりきる、またその積み重ねがチャンスにつながるのを再認識した。

 結果的に日本代表の試合から感じられたり、得られたりしたことは、自分のなかにもたくさんあった。

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