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「フランスの未来に楽観的だ」とデシャン監督。W杯連覇を逃すも若い選手が躍動、4年後への期待は一段と高まった (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

 アルゼンチンは後半64分、左サイドで効果的な働きを見せていたディマリアが交代で退くと、攻撃姿勢が明らかに弱まった。2点のリードで気持ちが守りに入ったからか。あるいは、単純にディマリアという高い攻撃力を持つ選手を欠いたからか。

 いずれにせよ、この交代をきっかけにアルゼンチンの勢いが次第に失われ、対照的にフランスが息を吹き返したことは間違いない。

 ちなみに、前述の質問に対するデシャン監督の答えは、「選手たちは肉体的にも、精神的にも100%フィットしていた。特に懸念はしていなかった」である。その言葉を鵜呑みにはできないとしても、必ずしも嘘ではなかったことは、その後のフランスの反撃が証明している。

 フランスは前半終了を待たずして、FWランダル・コロムアニ、FWマルクス・テュラムを投入したのに続き、後半71分にFWキングスレイ・コマン、MFエドゥアルド・カマビンガを追加投入。

 デシャン監督が「戦術的な変化とともに、フレッシュなエネルギーを加えた」と話したように、合わせてフォーメーションも4-3-3から4-4-2へと変更したフランスは、ピッチを横幅いっぱいに使ってボールを動かしてアルゼンチンの守備網を広げると、身体能力に長けた選手たちが果敢に1対1での勝負を仕掛けていった。

 すると、守備で後手を踏むようになったアルゼンチンが、ファールの数を増やしていく。

 フランスは後半80分、左サイドで縦への突破を図ったコロムアニが倒されて得たPKを、FWキリアン・エムバペが確実に決めて1点を返すと、そのわずか1分後、右サイドでコマンがメッシからボールを奪い、シンプルに速攻を完結。最後は再びエムバペが決めて、たちまち同点に追いついた。

 これで完全に試合の流れをつかんだフランスは、その後、ほぼ一方的にアルゼンチンゴールを攻め立てた。

 すでに結果が出た今、改めて試合を振り返れば、フランスはここで勝負を決められなかったことが響いた。瀕死のアルゼンチンをノックアウトするチャンスはあったはずだが、それを生かしきれなかった。

 結果的にフランスは、延長に入ってアルゼンチンに勝ち越しを許し、再びエムバペのPKで追いついたものの、PK戦で力尽きた。

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