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カタールW杯の女性たち。おとなしくしていたセレブと存在感を発揮したイランサポーター (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 カタールW杯ではスタジアムに政治的なスローガンを持ち込むことが禁止されている。だからヨーロッパのチームも「LGBTQ支持」のキャプテンマークをあきらめたのだ。カタールの組織委員会はこのイランのサポーターたちの行動に何も注意はしなかった。ただW杯技術部門の最高責任者はこう言っていた。

「特定の場所にズームインして、目当ての観客をはっきりと確認できる特別な高解像度カメラを持っている」

 ちなみにカタールには約1万人の女性警官がイエメン、スーダン、エチオピア、シリアなどから来ており、女性サポーターや記者の対応に当たっていた。

 私は現地の女性が、このW杯をどう思っているのかも聞きたかった。しかし人口の10%と言われる本当のカタール人には行きあたらないし、たとえ行きあたっても女性は話をしたがらないだろう。

「大会前は皆、W杯を怖がっていました。サッカーファンのなかには危険なふるまいをする者もいると聞いていたので、大会期間中はできるだけ外に出るのも控えようと思っていました。でも公共の場には警察がいっぱいいたので安心です」

 やっとひとりだけ話が聞けたカタールの女性は、W杯の印象をこう語っていた。

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