日本代表と対戦するスペインの攻撃を分析。前線5人のカラクリとお手本のようなゴールはどう動いているのか (2ページ目)

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko
  • 西村知己●イラスト illustration by Nishimura Tomoki

Answer 
ダニ・オルモがスペースを作り、アセンシオにクロスを合わせてシュート

 コスタリカが立ち上がりを4-4-2のシステムでスタートすると、スペインは4-3-3で攻撃時は左サイドバック(SB)のジョルディ・アルバが高い位置を取り、インサイドハーフのガビも前線に出ていく。そのため、ボール保持時には前に5人が並ぶ形となった。

ダニ・オルモが空けたスペースにアセンシオが入り、クロスに合わせたダニ・オルモが空けたスペースにアセンシオが入り、クロスに合わせたこの記事に関連する写真を見る コスタリカとしては前線からのプレッシングでスペインのパスの出どころを抑えたかったが、素早いパスワークでかわされ、簡単に前進を許してしまった。

 そうなるとコスタリカは、最終ライン4人に対して、スペインの前線5人という数的不利に苦しむことになる。2点目はまさにそんな場面である。

 左サイドでフリーのジョルディ・アルバにボールが渡ると、コスタリカSBカルロス・マルティネスがスライドして対応に出る。すると空いたポケットにダニ・オルモが動き、右センターバック(CB)のオスカル・ドゥアルテが釣り出される。

 それに連動する形でアセンシオがダニ・オルモの空けたスペースに入る。この時、コスタリカの左CBフランシスコ・カルボは、ドゥアルテが下がったことでラインを合わせなければならず、アセンシオについていけなかった。

 もしついていけば中央にギャップができ、ガビに確実に狙われていただろう。ジョルディ・アルバが余裕を持ってクロスを入れると、アセンシオがダイレクトで合わせてゴールとなった。

 コスタリカは3点目が入った時点で5バックに変更したが、それでもスペインの洗練された質の高い攻撃に対応しきれず、成す術がなかった。

 日本はコスタリカ相手にこのような攻撃ができるのか。そして、このスペインに第3戦目でどう戦うのか、注目である。

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