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鎌田大地とソン・フンミン。同ポジションの日韓のエースはCLでキャラの違いを際立たせた (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by AP/AFLO

鎌田大地をどこで使うべきか

 一方、アウェーでトッテナム・ホットスパー(スパーズ)と対戦したフランクフルトの鎌田大地は、幸先よいスタートを切った。前半14分、フランクフルトのプレスを浴びたスパーズのCB、エリック・ダイアーがたまらずミスを犯すと、その流れから鎌田にラストパスが回ってきた。

 待望のCL初ゴールが生まれた瞬間だった。W杯に向けても弾みがつくゴールのようにも見えた。だがこの日、ヒーローに輝いたのは相手チームのソン・フンミンだった。前半20分に同点弾、36分には3-1とするダメ押しゴールを決め、存在感を発揮した。

 鎌田とソン・フンミン。お互いの布陣を3-4-2-1とすれば、ともに左のシャドーだ。スパーズのほうが3-4-3的だったので、ソン・フンミンのほうが鎌田より若干開いて構える格好だったが、その分を考慮しても同ポジションの選手には見えなかった。

 ソン・フンミンをアタッカーとするなら鎌田は中盤選手。日韓のエースは、キャラの違い、構える高さの違いを際立せることになった。鎌田をどこでどう使うか。これは、フランクフルトのみならず、日本代表の問題であることが、ソン・フンミンを通してあらためて浮き彫りになった格好だ。

 この第4節で、気になる韓国人選手はもうひとりいた。全北現代、北京国安、フェネルバフチェを経由して今季、ナポリにやってきた25歳、キム・ミンジェだ。目を惹く理由は彼がすばらしいプレーをしたというより、いまをときめくナポリの一員にスタメンとして加わっている点にある。

 ソン・フンミンが所属するスパーズと言えば、2018‐19シーズンの準優勝チームだ。UEFAリーグランキングで首位を走るプレミアリーグでも今季、ここまで3位につけている。アジア人選手が所属するクラブで、スパーズは一番の格を誇るチームのように見える。
 
 だが筆者には、少なくともサッカーの魅力度という点においては、この日、アヤックスを4-2で撃破し、早々とベスト16入りを決めたナポリのほうが上に見える。監督はルチアーノ・スパレッティ。泣く子も黙る攻撃的サッカーの信奉者である。ローマ監督時代、フランチェスコ・トッティを0トップに据え、話題を集めた発明家でもある。

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