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セルティック旗手怜央のCLレアル・マドリード戦記。「モドリッチは切り返しが深く、隙がなかった」 (2ページ目)

  • text by Harada Daisuke
  • photo by Getty Images

自分のプレーに手応え

 一方で、自分のプレーに手応えを感じることもできた。第7回のコラムでも綴ったように、プレシーズンの時から取り組んできた相手との距離感、間合い、さらには周りを見てプレーできた実感があった。その結果、前を向いてプレーする瞬間、場面を何度も作り出すことができた。

 ただし、レアルはピッチを3分割した時の3分の2まではボールを運ぶことを許してくれるが、最後の3分の1、ゴール前への進入は許してもらえず、やはり堅かった。だからといってミドルゾーンのマークが緩いかというと、決してそうではなく......だからこそパスを引き出してターンして、またパスを出して前に出て行く動きができた手応えは大きかった。

 覚えているのは6分にスローインを中央で受け、ダイレクトで逆サイドに展開したシーン。これは周りが見えているからこそ、狙えたパスだった。10分にワンタッチでギオルゴス・ギアクマキス、17分にジョタにスルーパスを出せたのは、前を向いてプレーできていた証だった。

 地味なプレーだったかもしれないが、交代する直前の67分に、相手を背負いながらワンタッチでマクレガーに落として、そこからマクレガーが持ち運んだシーンは、川崎フロンターレでも取り組んでいたプレーだった。ここまで積み重ねてきたプレーが、うまく整理してこの舞台で出せた実感も糧になった。

 一方で、結果は0-3の完敗だった。自分たちが失点するならば、ひとつひとつの局面を自分たちが潰せず、後手を踏んでやられるだろうと想像していた。そのため、一瞬でもスキを与えてはいけないと思っていたが、そこをかいくぐってくるのが、レアル・マドリードなんだと知った。

 CLという最高峰の舞台に立ち、感じたのは守備の重要性だった。このレベルで自分が戦っていくには、より守備力を高めなければならないことを痛感した。

 レアルの選手に目を向けると、印象に残ったのは、やはりルカ・モドリッチ、そしてフェデリコ・バルベルデだ。自分がピッチ上で感じた感覚と、実際がどう違うのかを把握するため、レアル戦は2〜3回ほど映像を見直した。そのうえで、体感した時も感じたモドリッチは切り返しが深く、隙がなかった。

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