試合を決めた久保建英と堂安律。明暗が分かれたヨーロッパリーグの日本代表選手たち (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamoro/MUTSUFOTOGRAFIA

 ふたりに比べてやや苦戦したのが、ウニオン・ベルリンの原口元気だろう。ポルトガルのブラガとの敵地戦では、68分から5-3-2の右ボランチで出場した。しかし、終盤に失点を喫し、チームは1-0と敗北した。CKのこぼれ球を身体を投げ出してマイボールにするなど、原口のプレーは献身性は際立った。局面でのコンタクトプレーの強さも特筆に値した。ファウルになってしまう場面も多かったが。

 心配なのがモナコの南野拓実か。ハンガリーのフェレンツバロシュとの一戦は、メンバー入りしたものの試合出場はなかった。チームがホームで0-1と敗戦したにもかかわらず、だ。フランスリーグは、激しいコンタクトやひとりでやりきるようなプレーが求められるだけに、適応に戸惑っているのかもしれない。

 ともあれ、これだけ日本人選手が欧州の舞台に立っていることは、「朗報」と言えるだろう。久保、堂安のふたりは、このところ森保ジャパンでは冷や飯を食わされてきたが、起用法次第で世界と互角にやり合える。それがELの舞台で示された。

 久保、堂安をどう使うか。同じ左利きで相性もよく、ふたりを一緒にピッチに立たせることで、思った以上の効果もあるだろう。もし彼らを有効利用することができないとすれば――それは指揮官の器の問題だ。

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