堂安律の決勝弾で首位奪取。スター選手がいないチームの強さの秘密を語る (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by AFLO

監督といい関係を築けた

 ただ、現状にはまだ満足してはいないと言う。特に、攻撃面でまだまだ周囲との相互理解が必要なのだとか。1-0で勝利した先週のボーフム戦後には、次のように話していた。

「(チームとの関係は)まだまだですね。ほしい時にボールは出てきてないですし、特に前半なんかはボールに関与する時間は少なくて、後半はよかったですけど、もっと自分のよさを理解してもらわないといけないですし、まだまだほど遠いです。監督が信頼して使ってくれてるのはすごく感じているので、そこにしっかり応えられるように頑張りたいです」

 ゴール前に走り込み、必死で存在をアピールするシーンが何度も見られたが、「体がちっちゃいんで(笑)、それくらいやらないと」と、笑いながら説明する。チームとの関係だけでなく、自身のボールタッチ、フィーリングもまだまだなのだという。

「完璧にはほど遠いです、まだ。ほど遠いですけど、勝っているというのが気持ち的にはやっぱりでかくて、それで自信も大きくなります。これでもし、完璧じゃないなと思いながらチームが負けてると気持ち的にしんどいので、そこで勝ちきれているというのは大きいなと思います」

 チームの勝利に加えて、自身の得点という結果が出ているからこそ、うまくいかなくても苦しまずにすんでいる、というのが現状認識だった。

 堂安の入団にあたって、シュトライヒ監督が獲得を熱望し、入団前から起用法やシステムについて堂安とち密なコミュニケーションをとったということは、ドイツメディアでも話題になった。獲得に際してフライブルクが前所属のPSVに払った移籍金は800万ユーロ(約11億円)と言われており、これはクラブ史上最高額だ。その数字に期待の大きさが表れている。

「シュトライヒ監督は熱い監督ですね。想像どおりです。ベンチを見てたらわかると思います(笑)。入団前からかなりコミュニケーションを取りましたし、その時だけじゃなくて、今もコミュニケーションを取ってます。僕の発言をすごく聞いてくれる監督なので。こうしたいとか。すごくいい関係を築けていると思います」

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