PSGフロンターレ戦で見えた光と陰。一番の仕上がりは35歳のメッシ、フル稼働が厳しいのは36歳のセルヒオ・ラモス (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

レッズ戦で守備は機能するか

 ガルティエ監督が目指す3バックシステムは、あくまでも攻撃的に戦うための戦術ゆえ、DFラインを高い位置に設定する。そうなると、最終ラインの背後にはスペースが生まれるのだが、まだその管理をどのようにするのかが定まっていないのが現状だ。

 試合後、この問題についてガルティエ監督は「コンパクトさを保つことと、自陣深いところでボールを回収する術(すべ)も身につける必要がある」と、修正点についてコメント。そのうえで、ポリバレント性を兼ね備え、サイドを上下動できる新戦力獲得にも言及し、名前こそ出さなかったが、ライプツィヒのノルディ・ムキエレ(24歳)の補強が迫っていることを示唆している。

 そもそも、ふくらはぎの度重なる故障によって昨シーズンを棒に振った36歳のセルヒオ・ラモスがフル稼働できる可能性は低い。しかも、この試合の後半に途中出場したドイツ代表のDFティロ・ケーラーは今夏の放出リストに名を連ねているため、右ウイングバックと3バックの一角でプレー可能なムキエレの獲得は、たしかに理にかなっている。

 いずれにしても、たとえ新戦力が補強できたとしても、新システムをチームとしてどのように機能させるかが定まらなければ、それは絵に描いた餅になる。その意味でも、7月23日の浦和レッズ戦(埼玉スタジアム2002)では、新システムにおける守備の課題がどこまで修正されるのかが注目ポイントのひとつになるだろう。

 高温多湿な難しい気候を考慮して、PSGは予定を早めてガンバ大阪戦(7月25日/パナソニックスタジアム吹田)の翌日に離日することになった。ガルティエ監督が新銀河系軍団をどのようなチームに変えようとしているのかを目の当たりにできるという意味で、引き続き浦和戦も要必見だ。

>>第6回につづく>>

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