上田綺世がベルギーで飛躍するために必要なこと。分岐点となる「シーズン二桁得点」の壁 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yshiyuki
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

「僕は常に考えてサッカーをしています。茨城の小さな世界だけで生きてきましたが、そこでも他人を観察して。なんとなくですけど、考えを確立してきました」

 法政大学サッカー部時代の最後のインタビューで上田はそう語っていた。彼はアントラーズでユースに"落第"し、高校進学で道を広げている。自分を見つめ、自身をアップデートさせてきたのだ。

「小学校のころ、クリスティアーノ・ロナウドのドキュメントをテレビで見たことがあって、ロナウドに『クリスティアーノ・ロナウドをどう思うか?』という質問があるんです。それに彼が『大好きだよ』と答えて、小学生だと『ヘンなの』って恥ずかしがるかもしれない。でも僕は、素直に格好いいなって共感しました。自分が好きだからこそ、もっと高めたいって思えるんだろうなって」

 その上田は、どこまで自分を高められるのか。ベルギーは入り口に過ぎない。そこでゴールを決め、W杯でも得点を奪えば、価値は高騰するだろう。1年後には10倍の価値になっていても不思議ではない。2、3年後には世界的ストライカーの仲間入りも......楽しみな挑戦が始まった。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る