レオナルドとダニエウ・アウベス。大物ブラジル人に浮上した日本行きの可能性 (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

「日本を愛している」

 彼はバルセロナとの半年の契約をしていたが更新には至らず、このほど正式に退団することを発表した。監督のシャビ・エルナンデスは「彼のことは大好きだが、若いチームにシフトしていく必要があった」と述べている。バルセロナの速いプレーに彼はもうついていけないのだ。

 ダニ・アウベスは来シーズンのチームがまだ決まっていない。しかしこれはブラジルにとって大きな問題である。彼はいまだカタールW杯を戦うセレソンの一員であり、いくら多くの若手が台頭してきていても代表監督のチッチは彼を外さないだろう。ブラジル代表の中心選手が、チームがないということはあってはならない。

 現在可能性が一番高いと言われている行先はスペインのマジョルカ、そしてヘタフェだ。しかし、そこに第三の可能性として日本があがってきている。

 日本のクラブチームにとって彼はパーフェクトな存在だろう。世界を見てきたダニ・アウベスは、かつてドゥンガがジュビロ磐田でしたように、若い日本の選手に多くのことを教えることができる。移籍市場に名前が挙がっている選手のなかで最も優良な買い物だ。サッカーをわかる人であれば、それはすぐにわかるはずだ。現在39歳ではあるが、彼はまだまだ走れる。

 昨年の東京オリンピックにオーバーエージとして出場し、金メダルを勝ち取り、先日はブラジル代表のアジア遠征の一員としても日本に来た。この時に彼は、日本人の知り合いと話をしたようだ。日本のファンにも親切で、発言も日本に対して非常に好意的だった。

「私は日本という国を愛している。日本の生活にも恋しているんだ」

 たぶん、この時すでにバルセロナとの契約更新はないことを知っていたのだろう。まだ確実なことは何もない。ただ現在、水面下で日本とブラジルのエージェントが彼の移籍に向けて動いているのは確かだ。

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