今季、欧州で最も活躍した日本人選手は誰だ。MVPは満票で鎌田大地に
日本人欧州組の今季を総括(前編)
欧州サッカーの2021-22シーズンが、スペイン2部などを除きほぼ終了した。欧州でプレーする日本人は今季、さらに増えた。UEFAリーグランキングの上位15カ国の1部リーグに限定しても、その数は50人を越える。そのなかで誰が活躍したと言えるのか。単純に得点数や出場時間といった数字では測れないだろう。各国リーグのレベルや個々のクラブの状態はさまざまで、比較するのは簡単ではない。そこで、欧州のサッカーに詳しいライター4氏に、主観を含めて活躍したと言える選手5人を選んでもらった。
4人の評価を総合すると、日本人のベストプレーヤーは満票で鎌田大地(フランクフルト)。2位は3票で伊東純也(ゲンク)、3位は2票の冨安健洋(アーセナル)と遠藤航(シュツットガルト)、という結果になった。
小野伸二以来の欧州カップ戦王者となった鎌田大地(フランクフルト)この記事に関連する写真を見る代表選出は当然の帰結だった菅原由勢
杉山茂樹
今季の欧州で活躍した選手を順に選ぼうとしたとき、問題となるのはプレーする場のレベルだ。その個人成績はどこで収めたものなのか。問われるのはリーグのレベルとチームの成績だ。欧州リーグランキング上位国でチームも好成績を収めていれば、選手の価値は上昇する。チャンピオンズリーグ(CL)とリーグランキング1位のプレミアで優勝争いを演じたリバプールは、そういう意味で現在、最高のチームになる。とはいえ、リーグ戦の出場時間がわずか224分にとどまる選手(南野拓実)を、活躍組に加えることはさすがにできない。
菅原由勢(AZ)
リーグランキング7位のオランダで、5位となったAZ。現在21歳の菅原は、そこで1シーズン、フル稼働した。森保一日本代表監督が招集せざるを得ない条件は整っていた。今回の代表復帰は当然の帰結だ。チームでは主に右サイドバック(SB)として出場。1列高い位置でもプレーしている。また昨季は左サイドでもプレーした。サイドならどこでもこなす推進力に長けた多機能型のプレーヤー。代表では左SBのほうがチャンスはある。
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