2022.04.19

日本代表に示したお手本。鎌田大地&フランクフルトはこうしてバルサを攻略した

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

 鎌田大地は今シーズン、ヨーロッパで戦うチームの主力の日本人選手として一番の高みに立ったと言える。

 所属するドイツ・フランクフルトのヨーロッパリーグ(EL)のベスト4進出に大きく貢献している。グループリーグでオリンピアコス、ロイヤル・アントワープ戦で計3得点し、ラウンド16ではベティスを下すゴールを決めた。そして準々決勝のバルセロナ戦では、世界最高MFの呼び声も高いペドリを封じる一方、鮮やかにチャンスを作り出している。

 ELでファイナル進出をかけて戦う鎌田は、日本人が世界で戦うための範を示したと言える。

 カタールW杯で、日本は同組のスペイン、ドイツという超強豪とどう戦うべきか。フランクフルトの戦いに、またもヒントがあった。

バルセロナ戦にフル出場、大金星に貢献した鎌田大地(フランクフルト)バルセロナ戦にフル出場、大金星に貢献した鎌田大地(フランクフルト) この記事に関連する写真を見る  激闘となったカンプ・ノウでのバルサ戦、フランクフルトは小さな運に恵まれている。

 満員のスタジアムは完全に敵地になるはずだったが、バルサはチケット収入を重視して、ドイツ人に3万枚ものチケットを売ってしまった。これに抗議を示すために応援を拒否したバルササポーターもいて、会場はほとんど中立地になっていた。

 その勢いを駆るように、フランクフルトは開始から圧力をかけている。バルサが戸惑っている間に、クロスからゴール前での競り合いでエリック・ガルシアのPKを誘発。3分、呆気なく先制した。

 日本がスペイン、ドイツに勝利するには、小さな運も必要かもしれない。しかし、きっかけは何でもいいのだ。勢いを味方につけられるか。

 スペイン代表エリック・ガルシアのファウルは、不測の事態ではなかった。彼はビルドアップ技術こそワールドクラスだが、単純なマーキングには問題を抱える。PKを与えたシーンも、相手FWに手をかけながら、ボールに触ることができなかった。

 そんな守備に対して、たとえば上田綺世(鹿島アントラーズ)のように体が強く、ボールを受けるうまさもあるFWは悪夢を与えられるだろう。古橋亨梧(セルティック)の単純なスピードも悩みの種になるだろう。ペナルティエリア内で守らせたら、あるいは後ろ向きに守らせたら、日本は優勢を作れるはずだ。