2022.04.13

バイエルンを撃破し4強進出のビジャレアル。ドイツ人にはない「ラテンのリズム」が大番狂わせを成し遂げた

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by AP/AFLO

 現地時間12日に行なわれたチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝第2戦。レアル・マドリード対チェルシー(第1戦のスコアは3-1)、バイエルン・ミュンヘン対ビジャレアル(同0-1)は、いずれも大接戦となった。

 レアル・マドリード対チェルシーは残り10分まで、チェルシーが0-3(通算スコア3-4)でリードする展開だった。だが、そこで生まれたのが、ルカ・モドリッチのスーパーパスだった。

 右サイドでチェルシーMFエンゴロ・カンテの縦パスをダビド・アラバがカット。マルセロ経由でボールを受けたモドリッチは、その右足のつま先とアウトの間を使い、バックスピンの効いたスライス系の浮き球を、ロドリゴの鼻先に送球した。通算スコアを4-4とする同点ゴールが生まれたのは、その次の瞬間だった。

 試合は延長へ突入。その延長前半6分。光ったのは成長著しい左ウイング、ヴィニシウス・ジュニオールだった。中盤でボールをカットしたエドゥアルド・カマビンガからパスを受けると、深い位置に進出。ゴールライン際からカリム・ベンゼマの頭に狙いを定め、浮き球を折り返した。ベンゼマの今大会12ゴール目となる拝むようなヘディングシュートが、通算スコアを5-4とする再逆転弾となった。
 
 持ち前の体力、馬力、スピードを武器に、立ち上がりからいい調子で試合を進めたチェルシーが、交代カードを切るたびに戦力ダウンしていったのに対し、レアル・マドリードは逆に、交代カードを切るごとにペースを回復させていった。

 レアル・マドリードは2シーズン連続のベスト4進出。昨季そこでチェルシーに敗れた借りを、この準々決勝で返した格好だ。昨季の敗戦以降、戦力が特段アップしたとは言えないが、ヴィニシウスがスター級に成長し、ベンゼマと2枚看板になっている点が大きい。4シーズン前に退団したクリスティアーノ・ロナウドの抜けた穴がようやく埋まったという印象だ。

バイエルンを下して歓喜に沸くビジャレアルの選手たちバイエルンを下して歓喜に沸くビジャレアルの選手たち この記事に関連する写真を見る  レアル・マドリードとチェルシーは下馬評で拮抗していた。試合内容も、試合結果もブックメーカーの予想どおりと言う感じだったが、バイエルンとビジャレアルの関係はそうではなかった。