PSGのCL敗退にいくつもの要因。メッシ、ネイマールの不出来と昨季までと違う1点の重み (3ページ目)
エムバペのワンマンチームに
加えてメッシだ。試合のスピード感についていけない様子が、観衆には手に取るようにわかったはずだ。スピードスターであるエムバペと同じピッチに立ったことで、その事実はより際立って見えた。ボールを縦に運ぶ力、すなわちアタック能力において、両者に著しい差があることが、白日のもとに晒されることになった。
冴えのなさという点では、ネイマールも負けていなかった。間の悪いプレーを頻繁に露呈し、足を引っ張った。ケガから復帰して間もなくで、単に試合勘を取り戻せていないという理由ならいざ知らず、もともとMMNと称されるほどのスーパースターだったのかと疑いたくなる、残念なプレーも目についた。
メッシとネイマールは元バルサの一員だ。両者の不出来は、サンティアゴ・ベルナベウを埋めたマドリディスタをいっそう勇気づけることになった。PSGはエムバペのワンマンチームと化していた。
後半16分、GKジャンルイジ・ドンナルンマのミス絡みでトータル1-2とされると、PSGの楽勝ムードは一転する。お尻に火がついた状態となった。浮き足だったと言うべきだろう。後半31分の同点弾。その直後のキックオフから生まれた逆転弾(後半33分)には、そうした意味で必然があった。
ベンゼマ、ヴィニシウス、ルカ・モドリッチらは、強かった頃のレアル・マドリードを想起させるワンランク上のプレーをした。しかしここでは、当代随一の金満クラブPSGの情けなさを、それ以上に強調したくなる。
この試合でメッシ、ネイマールは結局、フル出場した。マウリシオ・ポチェッティーノ監督は、選手を3人しか代えられなかった。負け方として問題あり。先行きに不安を感じさせるPSGの敗退劇だった。これでもし来季、エムバペにチームを去られたら、CL優勝の夢はしばらく遠のくに違いない。
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