【旗手怜央・新連載】「セルティックの一員になれた」と感じた瞬間。自ら解説する現地でのプレー
旗手怜央の欧州フットボール日記 第1回
Jリーグの川崎フロンターレから、スコットランドのセルティックに活躍の場を移した旗手怜央。初めての欧州サッカー、欧州生活で感じた、発見、刺激、体験を綴っていきます。
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スタジアムを見て高揚
セルティックFCに加入して、早くも2カ月が経とうとしている。
連戦に次ぐ連戦に加え、自分自身も新しい環境に慣れようと必死だったのもあり、すでに思い出せないこともある。それだけ日々が充実している証なのかもしれない。
セルティックでデビュー2試合目に初ゴールを決めた旗手怜央。「翌日からチームメートの反応が変わった」この記事に関連する写真を見る プロサッカー選手としてのキャリアをスタートさせた川崎フロンターレで、2シーズンを過ごした僕は、新しいサッカーに触れたくて、次なるプレーの場にスコットランドのセルティックを選んだ。
記憶をたどれば、日本を旅立ち、経由したドバイの空港に降り立ったときに、「これから自分はヨーロッパで勝負するんだな」と、決意を新たにしたのを覚えている。これまでもドバイの空港には何度か立ち寄ったことがあったけど、代表の活動などが多く、いつも誰かと一緒だったから。
でも、今回は自分ただひとり。クラブからは信頼できる人間と一緒に来てもいいと言われていたけど、現地には通訳もいるというので、何とかなるだろうと思っていた。もしかしたら、単身で乗り込んだほうが、ちょっとだけ「挑戦」という実感を得られるとの意識が自分のなかにあったのかもしれない。
だから、グラスゴーの空港に着いたときにはなおさら、こう思った。
「もう始まったんだな」
次に自分がヨーロッパという新しい環境を実感したのは、やっぱり練習場に足を運んだときだった。自分の目で見て、実際に体感するまでは、先入観を持たないようにしようと、あえてチームメートの情報は調べずにいたけど、これから仲間になる選手たちに挨拶したときには新鮮さを覚えた。
それ以上に高揚感を抱いたのは、スタジアムを見た瞬間だった。スタジアムはそのクラブの規模を物語っているとは、よく聞くことだけど、セルティックパークと呼ばれる約6万人収容のスタジアムの大きさには、ただただ驚いた。同時に100年以上の年月を積み重ねてきたクラブの歴史や伝統もひしひしと伝わってきた。
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