偽サイドバックの真骨頂。バルサ復帰のダニエウ・アウベス、攻撃センスが光った得点シーンの動きとは (2ページ目)

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko
  • 西村知己●イラスト illustration by Nishimura Tomoki

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ペナルティーエリア内まで進入し、ゴール前の競り合いのこぼれ球を決めた

 ダニエウ・アウベスの卓越した攻撃センスが光った得点シーンだ。

 バルセロナは両ワイドのトラオレ、ガビが幅を取り、そのやや後方にポジションを取って攻撃に絡むのがダニエウ・アウベスであり、ジョルディ・アルバというサイドバックである。

ダニエウ・アウベスはエリア内まで進入。競り合いでこぼれたボールを蹴り込んで見事にゴールしたダニエウ・アウベスはエリア内まで進入。競り合いでこぼれたボールを蹴り込んで見事にゴールしたこの記事に関連する写真を見る このシーンでも前の段階からダニエウ・アウベスはウイングのトラオレよりも内側にポジションを取りながら、攻撃の組み立てに関与し続けていた。

 そして後半4分。左サイドの深い位置でガビがボールを持つと、F・デ・ヨングが中央から顔を出してワンツーでサイドを突破。ガビが抜け出した瞬間、アトレティコのDFより先手を取ろうと中央のペドリ、フェラン・トーレスが動き出した。

 それをエリア外から見て、呼応するように走り出していたのがダニエウ・アウベスだ。ガビがグラウンダーのクロスを入れると、ニアに入ったペドリがスルーし、後方のフェラン・トーレスが合わせに行くが、DFのマークに潰されて触れなかった。

 しかし、ダニエウ・アウベスがそのこぼれ球に反応し、ダイレクトで蹴り込んだ。前の2人が動き出した瞬間に、エリア中央にできるスペースを察知。そこへこぼれてくるかもしれないボールに、サイドバックの選手が躊躇なく飛び込めるセンスは見事だ。相手を押し込んで攻めていた状況とはいえ、ダニエウ・アウベスが持つ独特の嗅覚がなせる業である。

 新戦力の加入で勢いづくバルセロナは、この調子で復調できるのか。次節以降も注目だ。

◆【動画】ラ・リーガ バルセロナvsアトレティコ・マドリード ハイライト
(ダニエウ・アウベスのゴールは3分21秒~4分5秒)

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