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バイエルンとマンチェスター・シティのにらみ合い。識者3人に聞く「今季のCLを制するのはどこか?」 (3ページ目)

  • photo by Getty Images

グループ全勝のアヤックスに注目

井川洋一(サッカーライター)

<優勝予想>
◎バイエルン 
○マンチェスター・シティ 
▲アヤックス

 今季の欧州の頂点にもっとも近いのは、バイエルンと見る。34歳のユリアン・ナーゲルスマン新監督が伝統の強さを継承しつつ、戦術的な幅を植えつけ、磐石のドイツ王者がさらに進化を遂げている印象だ。

 グループステージは6戦全勝、22得点3失点とこれ以上ないほどの数字を残している。バルセロナには2回とも3-0と完勝し、国内カップでは12-0、ブンデスリーガでも7-0や5-0と、およそフットボールらしくないスコアも記録。

 ロベルト・レバンドフスキ、トーマス・ミュラー、ヨシュア・キミッヒ、マヌエル・ノイアーら、ほとんどのポジションに超一流を揃え、最近では3-2-4-1という攻撃的な新機軸も打ち出し、モダンフットボールをさらに前進させている。そんなチームには7度目の優勝がふさわしい気がする。

 次点にはマンチェスター・シティを推す。6シーズン目のジョゼップ・グアルディオラ監督がポゼッションスタイルを極限まで高め、世界で最も難しいはずのプレミアリーグで早くも独走を始めている。

 本格派のストライカーがいなくても、フィル・フォーデンやジャック・グリーリッシュ、ベルナルド・シウバ、ラヒーム・スターリングといったスキルフルなアタッカーが偽9番を巧みに務め、夏にハリー・ケインを取り逃がした影響を一切感じさせない。一時は状態が不安視されたケビン・デ・ブライネも完全に復調しており、ルベン・ディアスとエメリク・ラポルトのCBも堅牢そのもの。

 今年のW杯を開催するカタールの資本で運営されているパリ・サンジェルマンのほうが意気込みは強いかもしれないが、チームのバランスと組み合わせを考えると、アブダビの首長が実権を握るシティのほうが可能性は高そうだ。2012年のチェルシー以来となる初戴冠は見られるか。

 最後に、希望を込めてアヤックスを。優勝回数(4度)は6番目に多いオランダ随一の名門だが、最後の欧州制覇は1995年。他国のメガクラブとの財政規模の差は如何ともしがたく、3季前に久しぶりに4強に入ったあとも、主力のほとんどが引き抜かれていった。

 それでもエリク・テン・ハーグ監督が継続して魅力的なチームを築き、今季は混戦も予想されたグループステージを全勝で首位通過。新戦力セバスティアン・ハラーが早々にフィットし、目下リーグ得点王と、新鮮な驚きも提供している。

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