香川真司を発掘したドイツの名スカウトも激賞。先発定着のCB伊藤洋輝
カタールW杯アジア最終予選。日本代表はホームで連勝を飾ったが、中国戦を前に懸念材料として注目を集めたのが、吉田麻也(サンプドリア)、冨安健洋(アーセナル)というふたりのセンターバックの不在だった。森保ジャパンのレギュラーメンバーでは長友佑都(FC東京)に次ぐ年長でキャプテンを務める吉田と、急成長を遂げている冨安のコンビがチームにもたらす安心感、安定感は小さくなく、そのふたりが一気に欠ける一大事だった。
その穴を埋めたのは板倉滉(シャルケ)と谷口彰悟(川崎フロンターレ)だった。「チャンスだと思っている」と明るく話していた板倉と、ミックスゾーンで緊張の面持ちを見せていた谷口。急増コンビは2試合連続完封で、勝利に大きく貢献した。ただ、吉田と冨安からポジションを奪うところまでのインパクトがあったかと問われると、難しいものがある。おそらく3月のオーストラリア戦では再び吉田と冨安が起用されるだろう。3番手以降の優先順位は混沌としている。
そんななかで今季、ドイツで注目を集めているのが伊藤洋輝の存在だ。遠藤航と同じシュツットガルトのセンターバックとして、すっかりレギュラーの座を獲得した。
シュツットガルトのセンターバックとして先発に定着した伊藤洋輝この記事に関連する写真を見る 伊藤は1999年生まれの22歳。オーバーエイジ枠で遠藤が参加していた東京五輪代表には選出されておらず、シュツットガルトで夏のキャンプに参加していた。アンダーカテゴリーとの契約だったため、当初はトップチームでのキャンプ参加は人数合わせかとも思われたが、そこでペッレグリーノ・マタラッツォ監督の目にとまった。
ブンデスリーガ開幕前のドイツ杯1回戦で先発起用され、フル出場して勝利に貢献すると、リーグ戦開幕節と第2節こそベンチを温めたが、第3節、第4節は途中出場でそれぞれ29分、20分出場。第5節では初先発を果たすと、第8節から第20節まで連続で先発しており、第13節のマインツ戦では得点も記録している。
伊藤の獲得は、シュツットガルトの名スポーツディレクター、スヴェン・ミスリンタットによるものだった。
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